神奈川県議会 > 2022-12-01 >
12月01日-13号

  • "与党"(/)
ツイート シェア
  1. 神奈川県議会 2022-12-01
    12月01日-13号


    取得元: 神奈川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-16
    令和 4年 第三回 定例会 △《本会議録-令和4年第3回-20221201-029334-諸事項-出席議員等議事日程-》 令和4年第3回神奈川県議会定例会会議録第13号〇令和4年12月1日 午後1時開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共101名       出 席 議 員                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       永   田   て る じ                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       上   野   た つ や                       石   田   和   子                       田   村   ゆうすけ                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       武   田       翔                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   けいすけ                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       新   堀   史   明                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       野   田   治   美                       脇       礼   子                       石   川   裕   憲                       米   村   和   彦                       栄   居       学                       小   林   大   介                       京   島   け い こ                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       河   本   文   雄                       内   田   み ほ こ                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       青   山   圭   一                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       さ と う   知   一                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       長   田   進   治                       国   松       誠                       杉   本       透                       し き だ   博   昭                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       く さ か   景   子                       作   山   ゆうすけ                       菅   原   直   敏                       北   井   宏   昭                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       浦   道   健   一                       加   藤   元   弥                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       松   本       清                       た き た   孝   徳                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       曽 我 部   久 美 子       欠 席 議 員                       加   藤   ご   う       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           武   井   政   二         同             小 板 橋   聡   士         同             首   藤   健   治         政策局長          平   田   良   徳         総務局長          筒   浦   浩   久         くらし安全防災局長     佐   川   範   久         環境農政局長        鈴   木   真 由 美         福祉子どもみらい局長    橋   本   和   也         健康医療局長兼未病担当局長 山   田   健   司         産業労働局長        河   鍋       章         県土整備局長        大   島   伸   生         会計管理者会計局長    落   合   嘉   朗         共生担当局長        川   名   勝   義         教育委員会教育長      花   田   忠   雄         同  教育局長       田   代   文   彦         同  県立高校改革担当局長 杉   山   正   行         警察本部長         林           学         同  総務部長       重   江   光   一   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          浦   邊       哲         議会局副局長兼総務課長   高   瀨   正   明         同  議事課長       井   上       実         同  政策調査課長     大 河 原   邦   治   ───────────────────────────────────────           令和4年第3回神奈川県議会定例会議事日程第13号                            令和4年12月1日午後1時開議第1 定県第 91 号議案 令和4年度神奈川一般会計補正予算(第5号)   定県第 92 号議案 同  年度神奈川水源環境保全再生事業会計補正予算(第1号)   定県第 93 号議案 同  年度神奈川流域下水道事業会計補正予算(第1号)   定県第 94 号議案 同  年度神奈川水道事業会計補正予算(第2号)   定県第 95 号議案 同  年度神奈川電気事業会計補正予算(第1号)   定県第 96 号議案 同  年度神奈川公営企業資金等運用事業会計補正予算(第1号)   定県第 97 号議案 同  年度神奈川県相模川総合開発共同事業会計補正予算(第1号)   定県第 98 号議案 同  年度神奈川酒匂川総合開発事業会計補正予算(第1号)   定県第 99 号議案 個人情報の保護に関する法律施行条例   定県第 100号議案 神奈川県個人情報保護審査会条例   定県第 101号議案 神奈川県個人情報保護条例を廃止する条例   定県第 102号議案 再任用に関する条例を廃止する条例   定県第 103号議案 神奈川県情報公開条例の一部を改正する条例   定県第 104号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 105号議案 神奈川県不服申立関係書類写し等交付手数料条例の一部を改正する条例   定県第 106号議案 事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例   定県第 107号議案 住民基本台帳法施行条例の一部を改正する条例   定県第 108号議案 神奈川県統計調査条例の一部を改正する条例   定県第 109号議案 職員の分限に関する条例及び市町村立学校県費負担教職員の分限に関する条例の一部を改正する条例   定県第 110号議案 職員の懲戒の手続及び効果に関する条例及び市町村立学校県費負担教職員の懲戒の手続及び効果に関する条例の一部を改正する条例   定県第 111号議案 附属機関の設置に関する条例の一部を改正する条例   定県第 112号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例   定県第 113号議案 職員の給与及び通勤に要する費用の弁償に関する条例及び学校職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 114号議案 職員の勤務時間、休暇等に関する条例及び学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 115号議案 職員の定年等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 116号議案 外国の地方公共団体の機関等に派遣される職員の処遇等に関する条例及び外国の地方公共団体の機関等に派遣される市町村立学校県費負担教職員の処遇等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 117号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 118号議案 公益的法人等への職員の派遣等に関する条例の一部を改正する条例   定県第 119号議案 職員の大学院等派遣研修費用の償還に関する条例の一部を改正する条例   定県第 120号議案 収入証紙に関する条例の一部を改正する条例   定県第 121号議案 神奈川県手数料条例の一部を改正する条例   定県第 122号議案 神奈川県地域医療医師修学資金貸付条例の一部を改正する条例   定県第 123号議案 神奈川県企業職員の給与の種類及び基準に関する条例等の一部を改正する条例   定県第 124号議案 警察組織に関する条例の一部を改正する条例   定県第 125号議案 神奈川県科学技術政策大綱の変更について   定県第 126号議案 工事請負契約の締結について(都市計画道路城山多古線(仮称)新坂下トンネル新設工事請負契約)   定県第 128号議案 管理事業に対する市町負担金について   定県第 129号議案 神奈川県道路公社の有料道路整備事業計画変更に対する同意について   定県第 130号議案 訴訟の提起について   定県第 131号議案 和解について   定県第 132号議案 和解について   定県第 133号議案 当せん金付証票の発売について   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和4年第3回-20221201-029335-質問・答弁-佐々木正行議員-代表質問①県内企業におけるこれからの健康経営について②踏切における交通安全対策について③災害の教訓を踏まえた被災地・被災者支援について④本人の意思を尊重した障がい者の権利を守る取組について⑤心のサポーター養成事業について⑥患者に寄り添ったがん対策について⑦新型コロナウイルス感染症対策の経験を踏まえた今後の医療提供体制について⑧労働者協同組合法の施行を踏まえた取組について⑨中小企業リスキリング支援について⑩健康団地の推進に向けた様々な取組について》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共101名 ○議長(しきだ博昭) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 審議を行います。  日程第1、定県第91号議案 令和4年度神奈川一般会計補正予算外41件を議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  佐々木正行君。  〔佐々木正行議員登壇〕(拍手) ◆佐々木正行議員 議長のお許しを頂きましたので、私は、公明党神奈川県議会議員団を代表して、通告に従い、提言を交えながら、順次質問をさせていただきます。  知事におかれましては、明快かつ前向きな御答弁をお願いいたします。また、先輩、同僚の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願い申し上げます。  質問に入る前に、一言申し述べます。  本年は、公明党の立党精神である「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」との指針が示されてから60年の節目に当たります。この志を胸に、庶民の生活現場に身を置き、困っている人、悩んでいる人に寄り添いながら、県民福祉の向上に全力で取り組むことを誓い、質問に入ります。  〔資料提示〕  質問の第1は、県内企業におけるこれからの健康経営についてです。  近年、企業においては、少子化に伴う人材確保の難しさに加えて、メンタルヘルス不調者の増加などから、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、企業として戦略的にその改善に取り組むという健康経営が注目を浴びています。  この健康経営では、従業員の健康増進のための経費もコストではなく、投資と捉え、従業員の健康づくりを進めることで、活力や生産力の向上を実現し、ひいては、企業業績や組織としての価値の向上につながることが期待されております。  〔資料提示〕  本県でも、社内に健康管理最高責任者を置き、健康経営を進めていただくCHO推進事業所登録制度を設け、県内企業に向けた普及啓発に取り組んでおり、先月実施されたME-BYOサミット神奈川2022においても、健康経営に関する議論が行われていましたが、その中で、健康と幸せ─ウエルビーイングの相関は高く、幸福感の高い従業員は、生産性や売上げが高いという研究成果が紹介されておりました。  健康経営に取り組むことが、従業員のウエルビーイングや未病改善、そして、企業業績の向上につながるという数値的なデータは非常に分かりやすく、発信力があり、今後、県が健康経営を推進するに当たり、大きな追い風になると強く感じたところであります。  新型コロナウイルス感染症の収束が見えない状況や、急激な円安で県内中小企業が疲弊する中、従業員の未病、特にメンタルヘルスを改善するための取組は、生産性や企業業績の向上といった企業活動にとどまらず、知事が目指す「いのち輝く」にもつながる取組であり、まさに推進していくべき施策であると考えます。  一方で、経営が厳しい中、必ずしも売上げに直結するとは言えない健康経営に、より多くの企業、特に中小企業に取り組んでいただくためには、普及啓発を進めるだけでなく、例えば、従業員の未病改善に資するモデル事業を実施するなど、具体的な事業を推進していく必要があります。  そこで、知事に伺います。  今回のME-BYOサミットでの議論を踏まえ、今後、中小企業健康経営を広く浸透し、従業員やその家族の未病改善を進めていくために、どのような取組を進めようと考えているのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、踏切における交通安全対策についてです。  日本の鉄道は、明治5年に東京の新橋駅から神奈川県の横浜駅の開通を機に、これまで全国各地に延伸し、今年、鉄道発祥150年という節目を迎えました。  こうした歴史ある鉄道は、現在では、東日本旅客鉄道をはじめ、複数の路線が県内を走行していますが、この間の鉄道路線の拡張に合わせて、歩行者や自動車が通る道路整備も進められ、鉄道路線と道路の交差場所では、踏切や立体交差化による交通整理がなされています。  現在、県内には約800か所の踏切があり、遮断機等により交通整理が行われているものの、いわゆる開かずの踏切といった場所では、交通渋滞が慢性的に発生し、交通事故も度々発生しております。  記憶に残る事故としては、平成25年10月に、横浜市緑区の中山駅近くにある踏切で、74歳の男性を救助しようとした女性が列車にはねられ、亡くなる事故が発生し、社会的に大きな反響を呼びました。  〔資料提示〕  また、今年、奈良県内の踏切で、視覚障害者の方が、踏切内にとどまっていることを認識していないと思われる状態で通過列車にはねられ、亡くなるという大変痛ましい事故が発生したことは記憶に新しいところであり、もし事故が発生した場所に視覚障害者を誘導する点字ブロックが設置されていれば、こうした事故は起こらなかったと思えてなりません。  こうした視覚障害者のための施設整備については、鉄道事業者と市町村などの道路管理者がしっかりと連携して取り組む必要があると考えます。  県では、鉄道事業者などと連携し、踏切の交通安全対策を進めていることは承知していますが、鉄道発祥の地である神奈川県が踏切の交通安全対策に、より一層意欲的に取り組み、障害のある方を含めて、全ての県民が安心して踏切を利用できる環境整備が必要と考えます。  そこで、知事に伺います。  踏切の安全対策の向上を図るため、鉄道事業者や市町村など関係機関と連携して、県内の踏切の改良や、踏切の安全利用を促す普及啓発など、ハード・ソフトの両面における対策を積極的に行っていく必要があると思いますが、県として、どのように取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、災害の教訓を踏まえた被災地・被災者支援についてです。  近年、気候変動の影響などもあり、毎年のように大規模な災害が発生していますが、そのたびに深刻な課題となるのが被災地の復旧と復興です。中でも、被災地の復興の要となる被災者の生活再建は極めて重要です。  被災者支援の各種制度は、過去の災害の教訓を基に整備されてきたものですが、法制度も様々で、複雑で分かりにくいといった意見や、同じ災害で同様の被害を受けたのに、支援を受けられる場合と、そうでない場合があるといった不公平感を指摘する意見もあります。  被災者支援制度は、法令に基づく全国共通の仕組みですが、いつ起きてもおかしくない大規模災害に備え、国や全国の自治体とも連携し、現行制度の課題を整理し、改善を図る必要があると考えます。  また、県は、被災地復興のための専門知識やスキルを有する職員を被災地に派遣するなど、東日本大震災被災地支援を積極的に行ってきましたが、この経験を本県の被災地支援に生かすことも重要です。  私自身も、福島県などの被災地に出向いて、本県の派遣職員から直接、様々な話を聞き、彼らの支援活動の経験や、そこで得た教訓は、本県で災害が発生した場合の避難所運営や、応援に来てくれる他県からの職員の受入れ体制の整備などに生かしていくべきだと繰り返し主張してきました。  これに対して県は、派遣職員の意見を意見集としてまとめ、平成31年3月には、復旧・復興を進める体制や対策、必要な手順等を定めた神奈川県震災復興対策マニュアルの修正等に反映したことは、評価をするところであります。  〔資料提示〕  一方で、東日本大震災から11年が経過し、復興が進捗した中にあって、被災地の状況も変化していると思われ、改めて、派遣職員の意見や被災地の復興状況を把握し、整理する必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  切迫性が懸念される首都直下地震など、本県でいつ起きてもおかしくない大規模災害に備え、国や他の都道府県と連携し、被災者支援制度の充実に努める必要があると考えますが、どのように取り組むのか。また、東日本大震災から11年を経た今、改めて、被災地への派遣職員の貴重な経験を踏まえた意見を整理し、本県における被災地・被災者支援を含めた復興対策に生かすべきと考えますが、併せて知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、本人の意思を尊重した障がい者の権利を守る取組についてです。  今定例会で、「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」が成立いたしました。  条例の可決に当たり、県議会からは、「施策の推進にあたっては、障害当事者とご家族の多様なニーズに対応できる受け入れ体制のさらなる整備・拡充、担い手人材の育成・確保と処遇改善、実効性を担保するための財政支援と推進体制の機能強化に努めるとともに、諸情勢の変化に応じ柔軟かつ果断に見直しを行う」よう意見を付したところです。  条例が制定されたこのタイミングで、当事者目線の障害福祉に対する機運を高めていくことと併せて、議会からの意見も踏まえた実効性ある障害福祉施策を推進していただきたいと思います。  〔資料提示〕  これからの障害福祉にあっては、障害者本人の意思に基づき、その人らしい生活を送ることができる支援を充実させることが重要です。  日常生活では、家族や障害福祉サービスの従事者などにより、本人の意思を尊重した支援が行われるとともに、財産についても、本人の意思を酌み取った管理が求められます。  判断能力が十分でない方の財産管理については、成年後見制度の利用が考えられますが、障害者の意思決定を支援する意思決定支援の考え方を後見人がしっかり理解していないと、本人の意思の尊重は困難です。  また、財産の問題に限らず、親が亡くなった後なども、引き続き、本人の意思に基づき、その人らしい生活を送るためには、様々な支援者が連携し、その人の意思決定を支えていくことも必要です。  そのためには、例えば、障害福祉に関する課題をトータルで協議する場において、弁護士や司法書士、社会福祉士、行政書士などの後見人や福祉関係者など、実際に本人の意思決定支援に携わる方々の意見を聴きながら、障害者が生涯にわたり、その人らしい生活を送るために取り組んでいくことが重要です。  そこで、知事に伺います。  親が亡くなった後の財産管理など障害者の権利を守るため、専門職など様々な人が協議する場を設けることも含め、県として、どのように取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、心のサポーター養成事業についてです。  私は、様々な現場を訪問し、県民と接している中で、長期にわたるコロナ禍の影響に、家族や職場の問題など様々な要因が重なって、心に不安や不調を抱えている方が多くなってきているのではないかと感じています。  我が会派では、こうした心に不安や不調を抱える方への対応を含め、従来から、心のケアの推進を重要な政策課題として捉え、多くの提言を行ってまいりました。  県では、こころの電話相談の拡充や、いのちのホットライン@かながわの開設など、相談支援の充実等に取り組んできたと承知をしております。  そうした中、昨年12月の代表質問において、我が会派から、心の不安や不調に悩む人を支える心のサポーター養成事業を進めるよう質問し、知事から、国のモデル事業に取り組む旨の答弁を頂きました。  〔資料提示〕  その後、県では、今年1月から、心のサポーターを養成する研修を実施し、私も受講の機会を得て、心のサポーターとして認定いただいたところであります。  この研修では、講義を聞くだけでなく、グループワークを実施するなど、研修内容にも工夫がなされており、私自身も受講したことで、メンタルヘルスや精神疾患に対する理解が深まり、また、心の不調を抱える方に寄り添うことの重要性を学べたことなど、非常に有意義な研修であると感じました。  今後も、多くの県民がこの研修を受講し、心のサポーターになっていただくことで、心に不安、不調を抱える方への対応や、精神疾患に対する理解を広げていくべきであると考えます。  現在、実施している養成研修は、国による来年度までのモデル事業であるとのことであり、国では、心のサポーターの養成を令和6年度から本格実施すると聞いていますが、県として、今後も心のサポーターの養成に積極的に取り組むべきと考えます。  そこで、知事に伺います。  県では、心のサポーター養成事業について、今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、患者に寄り添ったがん対策についてです。  がんは生涯のうち、2人に1人がかかると言われており、本県においても、昭和53年より、がんが死因の第1位となってから、死亡者数の増加が続き、総死亡者数の約3人に1人が、がんで亡くなっています。  一方で、早期発見ができれば、がんは治療で治る病気でもあり、がんとの共生の中で、社会とのつながりを保ちながら療養生活を送れるようになってきたことから、がん患者が自分らしく生きられるよう、患者に寄り添った支援を行う必要があります。  〔資料提示〕  がん患者さん等の不安や疑問を解決するため、同じような経験を持つ者が体験を共有し、共に考えるピアサポート活動や、日本癌治療学会「認定がん医療ネットワークナビゲーター」の活動は、患者に寄り添った支援として重要です。  しかし、こうしたピアサポートなどの活動については、一般のがん患者の方に必ずしも知られておらず、また、ピアサポーターの質の担保も求められる中、本県では、ピアサポーターの育成は、患者団体等の任意の活動に任されており、県などの支援もないため、意欲があるピアサポーターがいても、その活用が進んでおらず、その育成も課題となっております。  また、国立がん研究センターが、がんの治療や仕事との両立、予防、緩和ケアなど、患者が必要な情報をまとめた冊子を全国の公共図書館に無料で寄贈してくれる「がん情報ギフト」プロジェクトというものがありますが、それを活用し、患者にがんの正確な情報を知っていただくことも重要です。  さらに、県では、若年の患者が将来、子供を授かる希望を持って、がん治療に取り組めるように、妊よう性温存療法の経済的な負担を軽減するため、我が会派からの提案も踏まえて、国に先立ち、令和元年8月から助成事業を実施し、その後、国でも事業化がされたと承知しております。  妊よう性温存療法への助成については、今後、ニーズが増えていくことが考えられることから、支援を拡大していく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  今後、患者に寄り添ったがん対策を推進するため、ピアサポートなどの活動や患者への情報提供、妊よう性温存療法への支援について、県として、どのように取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、新型コロナウイルス感染症対策の経験を踏まえた今後の医療提供体制についてです。  クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号が来訪し、県が新型コロナウイルス感染症対策を開始してから、来年の2月で3年が経過しようとしています。  〔資料提示〕  県はこれまで、県内の4大学病院や県立病院機構をはじめとした医療機関、保健所設置市や市町村など様々な関係機関と連携し、まさに神奈川県一丸となって何度も危機を乗り越えてきました。  そして、例えば、昨年2月に我が会派の代表質問で知事に質問した、高齢者福祉施設における福祉と医療が連携したクラスター対策など、コロナ対策の過程で幾つもの今後につながる財産が生まれたのではないかと思います。  報道等で、第8波が到来と言われる中、まだ油断することはできない一方で、我々は、次の日常における地域医療のことも考えていかなくてはいけません。  くしくも、来年度は第8次保健医療計画の策定を控えており、今までの5事業に加え、6事業目に新興感染症対応という新たな項目が加わります。  その中で、我々は、新型コロナウイルスという100年に一度あるかどうかの新興感染症の蔓延を経験し、新型コロナの前と後で、日常の医療という考え方も変わってきたように思います。  今だからこそ、県として、コロナで対応してきたことをしっかりと振り返りを行い、この3年弱の間に、コロナ対策の中で得た財産と課題を整理し、これからの医療に生かせる要素はないか検討していくことが必要だと考えます。  そこで、知事に伺います。  これまでの新型コロナウイルス感染症の対策で得た経験や培ったものを、今後の医療提供体制の構築にどう生かしていくのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第8は、労働者協同組合法の施行を踏まえた取組についてです。  本年10月1日に施行された労働者協同組合法は、組合員が出資、経営、労働の三つの役割を担う協同労働という新たな働き方を実現することにより、様々な理由から働きづらい方に、意欲と能力に応じた就労機会を創出するとともに、地域のニーズに応じた様々な事業に取り組むことで、持続可能で活力ある地域社会の実現に寄与することが目的となっております。  これまで、地域における介護や子育てなど、利益が出にくい分野については、営利企業の参入が期待しづらいため、法人格を持たない任意団体やNPO法人が、その役割を担ってきました。  しかし、任意団体は法人としての契約行為ができないこと、NPO法人は、設立時に行政庁の認証が必要であり、活動資金も出資が認められていないため、寄附金や補助金等に頼らざるを得ないことから、資金面で活動が制限されるなど、いずれの組織も運営をしていく上で問題を抱えていました。  〔資料提示〕  一方、この労働者協同組合の設立に当たっては、発起人は3人以上で足り、組合員による出資ができることから、資金面での安定運営も可能です。そのため、人口減少に悩む地域の課題を解決するための新たな担い手となることが期待されております。  例えば、スタッフと保護者による、重症心身障害児を受け入れる放課後等デイサービスや、元保育士の現役ママたちによる一時保護所を運営するそれぞれのNPO法人が、労働者協同組合への移行に向けて手続を進めております。  今後は、こうした地域の課題に取り組んできた団体のみならず、新たに当事者が、地域の仲間と話し合ってこの法人格を取得し、活動をしていこうとする動きが出てくることも想定されます。  労働者協同組合法では、県は労働者協同組合を監督する役割を担っていますが、まずは多くの人にこの制度を知っていただき、こうした動きを広げていく役割も県にはあると考えます。  そこで、知事に伺います。  この労働者協同組合法の施行を踏まえ、県として、今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第9は、中小企業リスキリング支援についてです。  現在、国では、構造的な賃上げの実現を目指すため、賃上げ、労働移動の円滑化、人への投資という三つの課題の一体的改革を進め、成長分野に移動するための学び直しへの支援策の整備や、年功制の職能給から、日本に合った職務給への移行など、企業間、産業間での労働移動円滑化に向けた指針を、来年6月までに取りまとめることとしています。  特に、人への投資については、現代社会における技術革新やビジネスモデルの変化に対応するため、新しい知識やスキルを学び直す、いわゆるリスキリングに対する公的支援など、5年間で1兆円のパッケージを拡充する方針を打ち出しております。  デジタル技術の進展や脱炭素社会に向けたクリーンエネルギーへの転換など、産業構造の変化や新たな技術への対応が求められる中、企業で働く人々が、今後、需要が見込まれる分野の業務に対応していくためには、必要となる知識や技術を学び直すリスキリングは重要であり、個人のスキルアップが、企業にとっても新たな事業展開や業務拡大につながると考えられます。  〔資料提示〕  このような状況の中で、大企業では、社内の人材や教育資源を有効活用しながら、様々なメニューを用意して、従業員が希望する講座を受講するなどリスキリングの取組を推進している一方、中小企業では、指導人材の不足や研修体制が整っていないことなどから、リスキリングの取組が思うように進んでいないのが実情です。  今後、県内中小企業がDXなどの新たな取組を推進する際には、従業員に対してデジタル技術の習得の機会を提供することや、社内の業務に精通している従業員を再教育して、業務の効率化に必要な知識や技術を身につけさせることにより、生産性の向上や業務プロセスの変革に取り組んでいくことが可能となるため、リスキリングは有効な手法です。  そのために、県が、県内中小企業に向けて、リスキリングの相談窓口を設置するなど積極的に支援を行っていくことが必要であると考えます。  そこで、知事に伺います。  県として、中小企業のリスキリングに対して、どのように支援していくのか、知事の御所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第10は、健康団地の推進に向けた様々な取組についてです。  県では平成31年3月に、県営住宅の現状や取り巻く課題等を踏まえ、だれもが健康で安心していきいきと生活できる「健康団地」への再生を基本方針とした健康団地推進計画を策定しました。  この計画には、高齢者をめぐる課題として、後期高齢期になって、県営住宅での生活や介護などに不安を抱える入居者が多くなっていること、孤立死・孤独死が発生するなど、地域との無縁化が進行しているケースが多く見られること、役員等の高齢化により、共益費の徴収が難しくなっていることなどが挙げられています。  〔資料提示〕  こうした課題への対策として、県は、市町や地域の福祉団体等と連携し、団地内の空き住戸を活用して、福祉事業者への活動場所の提供や、高齢者の居場所づくりといった地域コミュニティーの活性化に取り組んでいることは承知しています。  しかしながら、昨今のコロナ禍により、福祉事業者などの活動が思うようにできない面があるとは思いますが、例えば、私の地元の相模原市内の県営団地においては、空き住戸があるにもかかわらず、こうした取組が広がっているようには感じられません。  特に、建て替えが計画されている団地については、完成まで何年もかかりますが、入居者からは、新築まで健康団地の取組は展開されないのではないかとの不安の声も寄せられています。  また、共益費の徴収を円滑に行うため、入居者や自治会の意向を踏まえ、自治会に代わり、県が徴収できるようにすべきであるということを、我が会派は、これまで度々求めてまいりました。  こうした中、昨年の12月の定例会において、知事から、県が共益費を徴収できるよう、早ければ令和4年度中に条例改正する旨の答弁を頂いたところであります。  そこで、知事に伺います。  入居者の高齢化が進んでいる県営団地においては、誰もが生き生きと暮らすことができる健康団地の実現に向けて、これまで以上に空き住戸を有効活用し、入居者の高齢化に対応した地域コミュニティーの活性化を目指す取組を進めていくべきだと考えますが、所見を伺います。  また、県営団地における共益費の徴収に関する条例改正の検討状況について、併せて知事の御所見を伺います。  以上で、私の第1回目の質問を終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 佐々木議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、県内企業におけるこれからの健康経営についてお尋ねがありました。  本県では、誰もが健康で生き生きと暮らせる社会の実現を目指すヘルスケア・ニューフロンティア政策に取り組んでおり、その一つとして、企業が従業員とその家族の健康づくりに取り組む健康経営を推進しています。  具体的には、平成29年度から、事業所ごとに健康管理最高責任者、いわゆるCHOを設置して、継続的に健康経営に取り組むCHO構想を推進し、現在、県内719の事業所に参加いただいています。  また、コロナ禍で健康への関心が高まる中、健康経営の取組を加速させるため、今年の2月に健康長寿産業連合会との間で覚書を締結し、中小企業向けに健康経営のノウハウや取組事例の共有を目的とした実践的な勉強会などを開催してきました。  健康経営の実践は、生産性の向上につながると期待されていますが、その一方で、経営層からは、健康経営が本当に業績につながるのかどうか分からないなどの声もあり、民間の調査では、健康経営に取り組む中小企業は約3割にとどまっています。  こうした中、先月開催したME-BYOサミットにおいて、従業員の健康と企業利益に強い関連性があることがデータで示されたことは画期的であり、多くの企業が取組を始める転機になると考えています。  そこで、今後は、まず、こうしたデータを活用しながら、中小企業の経営層の皆さんに、健康経営の効果やメリットを共有していきます。そして、健康経営をより一層加速させるため、関連団体や企業等と連携し、効果的で取り組みやすいモデル事業の実施など、具体的な検討を進めることで、CHO構想のより一層の推進を図ってまいります。  次に、踏切における交通安全対策についてお尋ねがありました。  列車と人、車両が行き交う踏切で、一たび事故が発生すると、人命に関わる深刻な事態につながるため、踏切の安全対策は極めて重要な課題です。  県は、交通安全対策の根幹となる神奈川県交通安全計画に基づき、私が会長を務める神奈川県交通安全対策協議会の踏切対策部会を中心に関係機関と連携し、踏切の安全対策に取り組んでいます。  具体的には、踏切通行者の交通安全意識を高めることを目的とした踏切事故防止キャンペーンの展開や、県内の小中学校から募ったポスターをホームページやSNSなどで発信し、注意喚起を強めています。  また、ハード面では、県管理道路の踏切において緊急に改良すべき5か所の対策を鉄道事業者と連携しながら進めており、既に4か所で非常ボタンの設置など必要な対策を完了させました。残る1か所では、非常ボタンの設置は終え、現在、踏切内の歩道拡幅を来年度の完成を目指し、進めています。  こうした中、本年4月、奈良県で、視覚に障害のある方が巻き込まれた痛ましい事故が発生しました。国は、この事故を受け、踏切の安全対策を定めるガイドラインを改定し、踏切に点字ブロックを設置する方向性を明記したことから、県は直ちに市町村や鉄道事業者などの関係機関に周知しました。  また、県が管理する道路において、整備が必要な28か所全ての踏切で視覚障害者が踏切を認識できるよう、今年度中に踏切の手前に点字ブロックを設置します。  加えて、市町村管理道路においても、踏切の改良や点字ブロックの設置を進めることが重要です。  そこで、踏切対策部会をはじめ、国が設置した神奈川県踏切道改良協議会合同会議や、市町村の道路管理者で構成する会議など様々な場を活用して、市町村にガイドラインを改めて周知し、働きかけを強めます。  県は、今後も関係機関との連携を一層強化し、踏切事故の撲滅を目指し、全力で取り組んでまいります。  次に、災害の教訓を踏まえた被災地・被災者支援についてお尋ねがありました。  被災者支援制度は、災害救助法や被災者生活再建支援法など複数の法令に基づく制度があり、適用基準や支援内容、申請方法なども様々です。  現在の制度に関して、全国知事会危機管理防災特別委員会委員長県の本県には、全国から、制度が複雑で被災者にとって分かりにくい、居住場所で支援に差が生じ、不公平感があるなど、課題を指摘する意見が寄せられています。  これまで全国知事会では、制度の改善や見直しを繰り返し国に求めてきましたが、一部の運用改善にとどまり、制度全般の見直しには至っていません。  そこで、11月に本県が提案し、制定から70年が経過する災害救助法を含めた制度全般の抜本的な見直しなどの提言を取りまとめ、私が全国知事会を代表し、防災担当の副大臣に要請を行いました。  首都直下地震や南海トラフ地震の発生が懸念される中、県は今後、知事会の提言を基に全国の都道府県と連携し、実効性の高い被災者支援制度となるよう、国との調整を重ねてまいります。  また、これまで本県は、東日本大震災の被災地に対して、全国でも圧倒的な数の任期付職員を派遣してきましたが、派遣職員の貴重な経験を本県の復興対策に生かす視点は重要です。  国難とも言える震災から10年以上が経過する中、派遣職員から、ハード整備が進む一方で、産業やにぎわいの回復などが課題になっているといった、復興の現状に関する意見が寄せられています。  県は、こうした派遣職員の意見を集約、整理し、平成29年にまとめた意見集の充実を図るとともに、震災復興対策マニュアルに反映させ、本県の復旧・復興対策の一層の強化につなげてまいります。  次に、本人の意思を尊重した障がい者の権利を守る取組についてお尋ねがありました。  「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例~ともに生きる社会を目指して~」は、障害者に関わる誰もが当事者の望みや願いを尊重し、当事者が自らの意思に基づいて暮らすことができる社会の実現を基本理念としています。  障害者に関わる方々、とりわけ、議員お話しの当事者の財産管理に関わる成年後見人等には、条例の基本理念や意思決定支援を学んで成年後見に当たっていただくことが重要です。  そこで、県では、成年後見人等を対象に、意思決定支援を含めた条例の考え方に関する研修を新たに実施します。  また、成年後見人等を担う弁護士、司法書士、行政書士の団体や福祉関係者などを構成員とした協議会を新たに立ち上げ、当事者目線に立った成年後見の在り方を協議していきます。  さらに、協議会の構成員から所属する団体へ協議結果を周知いただき、県も各団体に対して出前講座を実施するなど、普及に積極的に関わっていきます。  こうしたことにより、障害者の権利をしっかり守り、当事者が自らの意思に基づく生活を送ることができるよう取り組んでまいります。  次に、心のサポーター養成事業についてお尋ねがありました。  心のサポーターの養成は、メンタルヘルスに対する正しい知識や、心の不調を抱える方に寄り添うことの重要性を多くの方に理解していただく取組として、大変重要です。  心のサポーター養成事業については、昨年度から、国のモデル事業に手を挙げ、県民や行政職員を対象に研修を実施しています。  昨年度は、この事業により約700人のサポーターを養成しており、今年度も引き続き実施しています。  しかし、社会全体で心の不調を訴える方々の数を考えると、まだまだ多くのサポーターの養成が必要です。そのためには、より多くの方が養成研修を受講できるよう、研修の実施手法について、さらなる工夫と改善をしていく必要があります。  そこで、県では、今年度、企業に御協力いただき、これまでの県民向けの研修に加えて、職域での研修をオンラインで実施し、一度に100人を超える方に受講いただくことができました。  国では、全国で100万人のサポーターを養成するという目標を掲げていますので、国に対して、こうした工夫を提示しながら、より多くのサポーターを養成できる研修手法の開発を求めていきます。  今後も引き続き、心の不調を抱える方への対応ができる方を増やすため、サポーターの養成に、積極的に取り組んでまいります。  次に、患者に寄り添ったがん対策についてお尋ねがありました。  がんは、早期発見と適切な治療で治る病気となってきており、患者が自分らしく生活をしながら、安心して治療に専念できる取組が重要です。  まず、ピアサポート活動についてです。  患者の不安や悩みを軽減させるため、同じような経験を持つ方が患者に寄り添うピアサポートなどの取組を県ホームページ等で周知してきました。しかし、公的な資格ではないこともあり、ピアサポーターを知っている患者の割合は低く、その活用は進んでいません。  そこで、今後は、がん相談支援センターでピアサポート活動を紹介していただきます。さらに、国のピアサポーター養成マニュアルを参考にし、県が認定する仕組みを患者団体やがん診療連携拠点病院等と検討していきます。  次に、がん情報の提供についてです。  県ではこれまでも、患者の治療や生活に関する情報をホームページで周知してきました。今後は、県教育委員会と連携し、身近な図書館でも情報を入手できるよう、「がん情報ギフト」プロジェクトを、県内全ての公立図書館に周知していきます。  次に、妊よう性温存療法への支援についてです。  本県では、国に先立ち、妊よう性温存治療費補助を行い、令和4年度には国の制度に合わせ、凍結後の受精卵の再移植等も対象に加えました。  妊よう性温存療法は、患者の経済的な負担が大きいことから、必要な方に支援が行き届くよう検討していきます。  こうした取組を通じて、患者に寄り添ったがん対策を進めてまいります。  次に、新型コロナウイルス感染症対策の経験を踏まえた今後の医療提供体制についてお尋ねがありました。  新型コロナウイルス感染症対策をきっかけとして培った、言わば財産を今後の医療提供体制に生かしていくことは重要です。  これまで県では、コロナ対策を通じて、40を超える神奈川モデルを構築してきました。  例えば、コロナの初期は、病床が空いている医療機関を探すのに時間を要していたため、各医療機関が病床の空き状況を相互に確認できるシステムを導入し、転院調整の時間を大幅に短縮しました。  こうした情報は、通常公開されておらず、今回のように、二次医療圏を超え、全県にわたり各病院が相互に空き状況を確認できるようになったことは画期的なことです。  そして、このシステムに参加した病院と随時、オンライン会議を行い、病床フェーズの変更などの重要事項について、直接、意見交換を行える関係を構築することができました。  これらコロナ対応で培った財産を、今後の新興感染症対策はもとより、それ以外にも活用できれば、日常の医療提供体制をさらに強化することが可能となります。  そこで、コロナ対策により構築したシステムをコロナ対策以外にも活用することについて、関係機関と調整しながら検討していきます。  また、医療機関が一堂に会するオンライン会議を継続して開催し、政策に関する県の方針などを直接お伝えする場として活用していきます。  こうしたコロナ対策で構築した仕組みを、今後、策定する保健医療計画など様々な計画の中に位置づけ、医療提供体制を強化することを目指してまいります。  次に、労働者協同組合法の施行を踏まえた取組についてお尋ねがありました。  労働者協同組合は、働く人が自ら出資し、その意見を経営方針に反映することができる新たな法人形態であり、営利を目的とせず、地域課題に取り組むために有効な選択肢の一つです。  例えば、子育て中の母親たちが労働者協同組合を設立し、保育所を運営する場合、利用者、スタッフ双方の立場で話し合いながら運営方針を決めていくことにより、利用しやすいと同時に、働きやすい施設とすることができます。  県ではこれまで、ホームページで、労働者協同組合の制度や設立する際の具体的な手続などを案内してきました。また、市民団体や市町村と共にフォーラムを開催し、労働者協同組合の設立を目指す団体の活動事例などを紹介し、労働者協同組合の理解促進に努めてきました。  今後は、組合設立の動きを後押しするため、より踏み込んだ対応を図っていきたいと考えています。  具体的には、理解促進のためのフォーラムを拡充するとともに、新たに労働者協同組合に関する専門相談窓口を設置したいと考えています。  この相談窓口では、法人の設立手続に関する専門家等に御協力いただくことにより、労働者協同組合の設立や運営等に関する課題解決や好事例の紹介など、幅広いニーズに応じたきめ細かい支援を行います。  こうした取組を通じて、労働者協同組合による地域の課題解決を促進し、持続可能で活力ある地域社会の実現につなげてまいります。  次に、中小企業リスキリング支援についてお尋ねがありました。  デジタル技術やクリーンエネルギーなどの技術革新の進展などにより、業務内容の変化や新たに発生する業務に対応するため、必要な知識やスキルを習得するリスキリングの重要性が高まっています。  例えば、DXの取組に必要なデジタル分野では、人材不足で新たな採用が難しい中、リスキリングにより社内の人材を育成することは大変有効です。  また、リスキリングは企業にとって、社内の人材を再配置するなどして、生産性の向上や業務の効率化が期待できますし、従業員にとっても、新たに習得したスキルを活用することで、待遇改善や昇進などにつながることも考えられます。  このように、リスキリングは、企業と従業員双方にとってメリットがありますが、中小企業にとっては、どのようにリスキリングをすればよいのかという情報が不足しており、課題となっています。  そこで、そうした課題を解決するため、仮称ですが、かながわリスキリング相談窓口を設置し、公益財団法人神奈川産業振興センターなど様々な関係機関と連携して支援する体制を構築します。  また、リスキリングで成果を上げている好事例を調査し、中小企業に広く周知するとともに、製造業におけるDXなど、リスキリングによる人材育成が有効な分野に対応した訓練カリキュラムを作成し、職業技術校の在職者訓練などで活用していきます。  こうした様々な取組を通じ、中小企業におけるリスキリングの取組を加速化させ、業務の効率化や新たな事業展開につなげていきたいと考えています。  最後に、健康団地の推進に向けた様々な取組についてお尋ねがありました。  まず、空き住戸の有効活用による地域コミュニティーの活性化についてです。  県営団地では入居者の高齢化が進行していることから、健康づくりの取組などを活発化させ、団地の活性化を進めていくことが必要です。  県は、健康団地推進計画に基づき、診療所や介護事業者等を誘致するとともに、コミュニティー活動の拠点を整備するなど、健康団地への再生を進めてきました。  しかし、高齢化がさらに進行する中で、団地内に地域包括支援センターや、高齢者の生活に関する支援を行うNPOを誘致してほしいといった声も寄せられています。  そこで、今後、空き住戸を活用し、高齢者福祉の拠点整備や、お年寄りの憩いの場づくりを強化します。具体には、職員が、地域の医療機関や介護施設などの関係者が集まる場に出向き、空き住戸の活用を呼びかけるとともに、高齢者支援団体などのNPOを直接訪問して、入居を働きかけます。  そして、県としても、使用料を免除するなどの支援を行い、団体の空き住戸への入居を後押しし、高齢化に対応した地域コミュニティーの活性化を図ります。  次に、共益費の徴収に向けた条例改正についてです。  県営団地では、高齢化の進行により、共益費の徴収が困難な自治会もあることから、現在、県が自治会に代わって徴収する具体的な仕組みについて、次の定例会に県営住宅条例の改正を提案できるよう準備を進めています。  県は、各団地のニーズをしっかりと把握しながら、自治会や地元市町村、事業者、NPOなどと連携し、健康団地の取組を推進してまいります。  答弁は以上です。  〔佐々木正行議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 佐々木正行君。  〔佐々木正行議員登壇〕 ◆佐々木正行議員 知事におかれましては、前向きで丁寧な御答弁を頂きまして、誠にありがとうございます。  1点、再質問をお願いしたいというふうに思いますが、心のサポーター養成事業でございます。  私も、今の質問で申し上げましたとおり、現場を歩いておりますと、メンタルヘルスに関する、非常に関心が高まっている県民の皆様が多いというふうに感じております。コロナ鬱というような表現もありますとおりに、心に不安を抱える方々に寄り添いたいと、家族や地域、友人等にですね。  その中で、今回、モデル事業を前年度から取り入れていただいて、今年度もやってくださっている。非常にありがたいし、知事に御答弁いただきましたように、企業でもオンラインで100名単位のそういう研修をやってくださった、本当にありがたいと思っております。  しかし、国の事業のモデル事業だからしょうがないというふうに考えがちでありますけれども、実は、申し込みたくても申し込めなかった人、定員がオーバーしてしまって申し込めなかった、期日が間に合わなかったという人もいますけれども、非常にニーズが高いと思うんですね。  国の予算でモデル事業として、この3年間やっていくわけなので、確かに国から来ている枠がある、そしてまた講師もしっかり雇わなければならない、いろいろな事情はあるにしても、県が提案して企業にやってもらえたという、この前向きな提案型の国に申し入れたこともあるもんですから、そういうことはやれば特例としてできるわけですね。  ですから、今回、せっかく申し込んだのに受講がかなわなかった方については、来年度にはそういう方々が出ないように、本格実施は令和6年度からでありますけれども、今回そういうような状況があって、少なからず、残念な、かなわなかった方に受講を漏れなくしてあげるような仕組みを考えていただいて、国にも要請をしていただきながら、その辺を行っていただきたいというふうに思うのですが、知事の御所見をお伺いいたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  県では、今年度の研修実施に当たりまして、定員を超えた回に申し込み、やむを得ず抽せんに漏れた方に対しては、空いている回の受講をお勧めしまして、一人でも多くの方が受講できるようにしております。  今後の本格実施に向けては、国に対して、より多くの方が養成研修を受講できるような研修手法の開発を求めてまいります。  答弁は以上です。  〔佐々木正行議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 佐々木正行君。  〔佐々木正行議員登壇〕 ◆佐々木正行議員 知事、再質問に対しても真摯な御答弁を頂きました。誠にありがとうございます。  神奈川県も努力して、一人でも多くの方を研修に参加させていただこうという姿勢もよく分かっております。本当にありがたいというふうに思っています。神奈川県は、本当に、先進的にこれを取り組んでいこうという、そういう意欲も感じているところでありますが、積極的に求めてくる方に対して、その辺の支援を今後もぜひお願いしたいというふうに思います。  残された時間で、要望を何点か申し上げたいというふうに思います。  踏切における交通安全対策についてであります。  これも知事から、全市町村に徹底していけるように、様々な働きかけをいろいろな場面でやっていただくということなので、可能な限り全踏切に点字ブロックを設置していただいて、そして、そういう事故が発生しないように取組をぜひお願いしたいというふうに思います。  それからもう一つ、要望として、患者に寄り添ったがん対策についてなんですけれども、これも前向きな御答弁も頂きまして、県として認定するような、お墨つきを頂けるようなピアサポーターの認定ができれば、非常に意欲的な方々にも大きな希望となると思いますし、また、ピアサポートをやっていくという方々も増えていくのではないかというふうに思います。  その中には、日本癌治療学会のがん医療ネットワークナビゲーター等も含まれてくるのかもしれませんけれども、まず、このピアサポーターが増えるように、環境整備をしていただきたいのですが、やはり神奈川においても、このがんゲノム医療とか先端医療の情報が、なかなか現場で伝わっていないというふうに思います。  がん治療連携拠点病院においても、そこで行っているピアサポーターもいます。ただ、そのピアサポーターは、その診療拠点病院に行かないと受けられないのではないかと思ってしまっている方がまだいる。地域に開かれているのだということがなかなか伝わっていないということもありますので、今後はピアサポーターの育成や、そして、増員、そして県がお墨つきをつけることによって、そういう方が広めていく、そして地域ぐるみで、ふだんから、がんの情報が、罹患された方のみならず、みんなで共有して、地域でがん患者を支えていくような、そのような広がりになればいいなと私は非常に感じているところであります。  今後も、知事を先頭に県民総ぐるみで、がん患者さんを支える環境を構築していただきたいことを強くお願いをするところであります。  以上をもちまして、私の質問を終わります。  誠にありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(しきだ博昭) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時4分 休憩       ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和4年第3回-20221201-029336-質問・答弁-上野たつや議員-代表質問①安心して出産できる神奈川を目指して②県立高校改革で示された夜間定時制課程の一部募集停止について③県立保健福祉大学、県立看護専門学校に通う学生への支援について④公契約条例の制定について⑤会計年度任用職員制度について⑥インボイス制度について》                   午後2時25分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共101名 ○議長(しきだ博昭) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(しきだ博昭) 質問を続行いたします。  上野たつや君。  〔上野たつや議員登壇〕(拍手) ◆上野たつや議員 日本共産党、横浜市神奈川区選出の上野たつやです。  私は、共産党神奈川県議団を代表して、安心して子供を産み、育て、働き、生活できる神奈川県を目指して、妊娠、出産、教育、労働、営業と何項目かのテーマに分けて質問したいと思います。  〔資料提示〕  内閣府が2020年に実施した少子化社会に関する国際意識調査では、日本は、自分の国は子供を生み育てやすい国だと思わないと回答した人が61%と過去最多で、過半数に達した唯一の国です。  調査結果からは、多くの方が支援策として、妊娠・出産・教育費の補助、安定した雇用などを求めていることが分かります。県民ニーズ調査においても同様で、子どもを生み育てる環境が今のままでは、子どもを持つのはむずかしいとの回答は、2018年以降、58%から64%へと増加しています。  子供を産むか産まないかの判断を尊重しながらも、社会を維持させていくために少子化対策は必要であり、経済的負担の軽減は大変重要と考えます。  まず、出産に係るテーマから、安心して出産できる神奈川を目指して。  初めに、不妊治療にかかる経済的負担の軽減について伺います。  本県の特定不妊治療助成の給付実績は、2018年から2020年までは年間1万件近くでしたが、対象範囲が拡大された2021年度は、一気に2倍に増えており、不妊治療のニーズの高まりを感じます。  不妊治療は、本年4月より保険適用になりましたが、体外受精の治療を一通り行うには、3割負担とはいえ、最低でも約15万円以上の費用がかかると聞いており、併用して追加的に実施される先進医療は、全額自己負担となるため、さらなる経済的負担の軽減は必要と考えます。  また、治療における急な受診に対応するには、仕事の調整が必要であり、職場からの理解を得るための努力とともに、結果がどうであったかなど、精神的にも多大な負担がかかっているのが現状です。  長期の治療で、経済的にも精神的にも追い込まれ、子供を望みながらも、不妊治療を中断、断念せざるを得ない事態は、変える必要があると思います。  現在、東京都をはじめ各自治体においては、不妊治療における先進医療に係る費用の一部を助成し始めています。  日本生殖医学会によると、不妊治療が漫然と続き、年齢による妊娠の機会が減ることを避けるために、条件によっては、可能な限り体外受精を検討することを勧めています。先進医療の自己負担分について、経済的負担を考慮して手が出せない状況は、できるだけ減らす必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  神奈川県でも、保険適用移行期の支援にとどまらず、他自治体のように、不妊治療における保険適用外である先進医療への負担軽減のための助成を行うべきと考えますが、見解を伺います。  次に、妊婦健康診査の自己負担の軽減について伺います。  〔資料提示〕  妊婦健康診査は、女性の健康を守り、安心して妊娠・出産をするために大変重要です。健診の内容や回数は、厚労省告示226号により望ましい基準が定められており、基準を基に医師の判断によって行われます。  厚労省の調査によると、2018年4月時点での公費負担額の全国平均は10万5,734円ですが、本県市町村の平均は7万1,417円で、全国最下位です。なお、2021年度の県内平均額は7万4,660円となっていますが、依然として、2018年4月時点の全国平均と比べても低く、住んでいる市町村によって補助額はばらばらです。  加えて、県内のどこに住んでいても、妊婦健診をするたびに自己負担が生じています。母体の健康を守るため、自己負担なしに妊婦健診を受けることができる環境をつくる必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  子育てしやすい神奈川をうたう県として、県内のどこに住んでいても、妊娠・出産を望む全ての女性が安心して健康に出産できるように、自己負担なく妊婦健診を受けることができるようにするべきと考えますが、見解を伺います。  また、国が定める望ましい基準を超えて、医師の判断で15回以上の健診や複数回の超音波検査などが実施された部分については、一定の基準をつくって県として助成する必要があると考えますが、見解を伺います。  次に、公的な教育環境を保障するテーマとして、県立高校改革で示された夜間定時制課程の一部募集停止について伺います。  これまで私たちは、県立高校改革については、質の高い教育と言いつつ、無理な特色づけをすることや、過大規模化となり、教育環境の悪化につながっていること、少人数学級を推進する観点などから反対をしてきました。  この点についての考え方は変わっていませんが、今回は、新たに計画に盛り込まれた夜間定時制課程の一部募集停止について触れたいと思います。  今回の募集停止の発表については、二つの点で問題があると考えます。  1点目は、募集停止の方向性の議論が全く明らかにされていない点です。  2016年に策定された県立高校改革実施計画(全体)には、定時制の配置の考え方について、定時制の配置については、適正な規模と配置に取り組みますとしか書かれていません。県当局は、これをもって、県民の皆さんにはお知らせできていたと教育委員会会議で発言しています。  しかし、夜間定時制の募集停止の方向性については、一度も公の場で議論がされておらず、議会では、計画が発表されるまで、具体的な募集停止の資料を基に議論がされたことはありません。  〔資料提示〕  また、教育委員会では、委員協議会と呼ばれる勉強会の場で意見交換をしてきたと聞いていますが、どんな資料を用いて、どんな考え方で、どんな議論をされたのか、明らかにはされていません。これが十分な議論を行ったと言えるのでしょうか。  政策決定過程を明らかにするのは、行政の透明性を確保するとともに、民主主義の根幹に関わる重要な課題であると考えます。  2点目は、県民からの意見を聴く機会を十分に保障できていない点です。  文教常任委員会が開かれた9月29日に、ようやく計画の中身が明らかとなりましたが、募集停止の考え方について知らされてもおらず、県として、この件について、県民からの意見も聴いていませんから、論議が深まるような状況ではありませんでした。  また、発表後、計画に該当する学校長が生徒、学校関係者、PTA、地元地域に報告し、その後寄せられた意見について、県当局がヒアリングを行ったとのことです。  しかし、議論の場を設けるなどの意見集約の方法については、各学校長に委ねられており、該当する各学校において十分に議論がされたとは言い難く、それ以外の県民に広く問うたわけではありません。  これら2点を踏まえて、教育長に伺います。  県立高校改革実施計画(Ⅲ期)の夜間定時制課程の一部募集停止について、計画公表前の議論の過程が非常に不透明であり、県民からの意見を聴く機会が十分に保障されていないと考えますが、政策決定過程を明らかにすることについて、どのように考えているのか見解を伺います。  また、これを踏まえ、実施計画(Ⅲ期)については見直しを行うべきと考えますが、見解を伺います。  次に、学生の学びを保障する観点から、県立保健福祉大学、県立看護専門学校に通う学生への支援について、まず、給付型奨学金の拡充について伺います。  政府は、2012年に、高校教育と大学教育を段階的に無償にするという国際人権規約を批准しましたが、国公立大学の授業料は横ばいで推移しており、私立大学は9年間で約7万円の増額です。段階的な減額すらされていないのが現状です。加えて、日本独自の慣習である入学金は、進学の足かせになっています。  さらに、この状況に加えて、コロナ禍の影響が学生の生活を直撃しました。大学生協連や民主青年同盟の調査からは、コロナ禍の下で、アルバイト収入が減り、食費を切り詰めながら生活をしている学生のリアルな実態が現れています。5人に1人は退学を検討しているとの調査結果もあり、学生の学びを保障する支援が必要です。  〔資料提示〕  私自身も、保健福祉大学の学生から直接、生活実態を伺いましたが、4人のうち2人は奨学金を利用しており、1人は給付型、もう1人は金利なしの貸与型を利用しているとのことでした。  日本学生支援機構の令和2年度学生生活調査によると、大学に通う学生の約半数が奨学金を活用しており、多くの学生が借金をしながら学んでいる実態が浮き彫りとなっています。  本県の県立大学、看護専門学校に通う生徒の状況を見ても、同年では約30から40%の学生は、何らかの奨学金を利用して学んでいます。  国会の議論において、政府も、大学での学びは、社会に出て活躍することで社会全体にとって大きな力になるとの認識は示しています。あとは、学生に対して、学びの保障をする姿勢があるかどうかが問われていると思います。  そこで、知事に伺います。  高い学費や学生ローンとも言うべき奨学金が学生の学ぶ権利を奪っているため、国の制度である給付型奨学金に加えて、県としても独自に対象範囲を広げるなどの拡充を行う必要があると考えますが、見解を伺います。  次に、実習時の補助について伺います。  県立大学、県立看護専門学校は共に、各学科の学生は専門的知見を深めるために何週間と現地実習が必要となります。学生からは、実習中はアルバイトが禁止されているため、それまでに生活費を稼がないといけない、4年生になると実習日数が増えるため、2年生のうちから貯金をしている、実施先に向かう交通費が自腹なのが厳しいなどの声を聞いています。これらの意見は、実習のある学科ならではの特徴です。とりわけ、独り暮らしでアルバイト代を生活費に充てている学生にとっては、深刻な事態と考えます。  そこで、知事に伺います。  実習時の学生の負担軽減のために、生活費補助や交通費補助をする必要があると考えますが、見解を伺います。  次に、県立保健福祉大学に通う学生の学費負担の軽減について伺います。  公立大学法人である県立大学は、運営費の大部分が県からの運営費交付金と入学金や授業料となっています。大学の授業料等徴収規程により、入学金は、県内在住の場合は、28万2,000円、入学前1年以内に県外在住だった場合は56万4,000円、授業料は年間53万5,800円です。  過去数年の業務実績を確認すると、コロナ禍で学生生活が苦しい中でも授業料はしっかりと徴収されており、こうした状況であるにもかかわらず、驚くことに、大学の報告では、オンライン授業の影響により、経費が節減された分を積み立てることができたと評価しています。  〔資料提示〕  また、県からの運営費交付金は、当初予算ベースで見ると、一番高かった2020年度から2年間、容赦なく減額され続け、物価高騰による光熱費の支援も一切されていません。  運営費交付金が減らされていくとすると、自主財源を生み出す方法として、学生が負担する入学金、授業料の増額すら懸念される状況です。公の施設として、サービス低下にならないようにするべきです。  これまで、大学が学生への支援を全くしてこなかったわけではありません。2020年度の人事院勧告により、知事、副知事の期末勤勉手当が減額された際、県の給与改定に準じている大学としても、幹部職員の手当を引き下げ、その分の予算を学生への支援に充てたとのことです。  コロナ禍や物価高騰により学生の生活が厳しい中で、大学が独自に学生への支援を努力する一方で、県独自には学生への支援が一切されなかったことになります。  運営費交付金の使い方次第では、学費の負担軽減も可能であることが示されているわけですから、あとは県として、学生への支援をするかどうかの姿勢次第だと思います。  そこで、知事に伺います。  県立保健福祉大学への運営費交付金を拡充することで、学生の入学金や授業料の負担軽減につなげる必要があると考えますが、見解を伺います。  次に、労働に関するテーマとして、公契約条例の制定について伺います。  公契約とは、国や地方自治体の事業を民間企業等に発注、委託する際に結ぶ契約のことです。また、公契約条例とは、自治体が発注する公共工事、業務委託などで働く労働者の賃金下限額を設定し、下請労働者についても、下限額以上の賃金を保障することを、契約事項に加えることを定めた条例のことを言います。  公共工事の質が高まることで、公共財産の質が担保されること、住民サービスの質が向上すること、公正な競争機会により受注業者の経営が安定すること、地域経済が活性することなど、公契約条例には様々なメリットがあります。  業務委託の公契約も大変重要ですが、今回は公共工事に関して伺います。  2013年7月に本県に設置された公契約に関する協議会の報告書に書かれた現状認識の一文には、公契約に従事する労働者を巡る状況は、近年の景気の低迷等により低価格競争入札の増加、労働者の賃金へのしわ寄せ、若年入職者の減少といった悪循環になっており、労働者の賃金も含めた労働条件の改善は、重要な課題であると書かれています。  報告書が出されて以降、8年が経過した今も、この状況は改善されているとは言えません。  〔資料提示〕  公共工事における建設労働者の賃金単価である設計労務単価は10年連続で上昇していますが、本県が7年続けている賃金実態調査によると、ばらつきがあるとはいえ、ほとんどの職種において設計労務単価の8割前後です。  県が発注した工事の平均落札率が9割近くであることを考えると、人件費を安く抑えていることの表れと考えます。それにもかかわらず、本県の評価は、最低賃金以上の賃金は確保されている、特に問題や課題はないとのことです。  また、建物の品質を維持するためには、一定の技術力が必要です。国土交通省の資料では、建設業従業者の数は、1997年をピークに減少を続け、2010年以降は横ばいのまま推移しています。55歳以上が約36%、29歳以下が約12%と高齢化が進行し、次世代への技術承継が大きな課題とされています。  建設労働者の賃金実態を改善し、若年層が長く働き続けられる環境をつくるためにも、公契約条例が必要と考えます。  そこで、知事に伺います。  建設業界が抱えている課題は、2013年当時と変わらず高齢化と人材不足であり、これらを改善するためには、労働環境の改善が必須ですが、現場の建設労働者の賃金については、職種や工事内容により、ばらつきがあり、実態を一律に比較できないとはいえ、県が発注する工事の設計労務単価の上昇に依然見合っていない職種もある事態について、どのように考えているのか、見解を伺います。  また、建設労働者の賃金確保には、公契約条例が必要だと考えますが、どのように考えているでしょうか、伺います。  次に、安定した雇用に関するテーマから、会計年度任用職員制度について伺います。  住民の生活を支える自治体の業務は、正規の常勤職員によって自治体が直接執行すべきです。総務省は自ら、公務の運営においては、任期の定めのない常勤職員を中心とするという原則を前提とすべきと、会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアルに記載しています。  本制度は、一般職、専門職共に、公務の職場にはなじまないと考えていますが、今回は特に専門職について触れたいと思います。  〔資料提示〕  本県では、総職員数の約16%が会計年度任用職員ですが、県立女性相談所の相談、かなテラスにおけるDVなど各種相談、かながわ中央消費生活センターの相談、建設許可の対応、図書館司書、農業技術センター、水産技術センターの研究員など、ありとあらゆる部署で経験と専門性を生かして従事されています。  それぞれ高い専門性が必要な、図書館司書は約50%、女性相談員や消費生活相談員に至っては、制度開始当初から全員が会計年度任用職員での採用です。特に相談業務は、専門性や継続性が求められる仕事であり、常時必要な部署であるはずです。  会計年度任用職員の制度上、任期は4月から翌年3月の1年間を範囲内とする、極めて不安定な雇用です。民間であれば、同じ職場で5年間働けば無期雇用にできる無期転換ルールが適用されますが、会計年度任用職員にはこのルールが適用されない上、必ず3年を超えると、ほかの人と一緒に同じ基準で改めて審査をされるため、継続した雇用がされず、事実上の雇い止めとなります。  継続性と専門性が蓄積されないため、公共サービスの後退にもつながりかねず、そもそも労働政策として、安心して将来の生活設計を描けるよう、労働環境の整備を図るとしている本県が、このような不安定な雇用の在り方を率先して行っていいはずがありません。  そこで、知事に伺います。  総務省の事務処理マニュアルに記載されているとおり、任期の定めのない常勤職員を中心とする原則を前提とすべきとの観点に立ち、本県行政に重要な役割を果たしている会計年度任用職員については、制度そのものの廃止を国に求め、県としては正規化を進めるべきと考えますが、見解を伺います。  また、制度開始から今年で3年目を迎えるため、来年3月には大量の雇い止めと言うべき事態が想定されますが、改めて、会計年度任用職員を広く募集することが法律上必須ではないと記載されている総務省のマニュアルにのっとって、雇用の継続の措置を図るべきと考えますが、見解を伺います。  最後に、営業を守るテーマから、インボイス制度について伺います。  〔資料提示〕  2023年10月1日から消費税のインボイス制度─適格請求書等保存方式の実施に向け、昨年10月1日から、インボイス発行事業者の登録申請が始まっています。  これまでは、売上げに係る消費税から仕入れや経費に係る消費税を差し引いた金額を申告し納付していましたが、本制度では、仕入れの際にインボイス発行事業者の発行する登録番号が記載された請求書、領収書が仕入税額控除の要件とされています。  免税事業者と取引をした場合、インボイスが発行できないため、納付する消費税額の増加を招くため、これを防ぐために多くの事業者が、取引先から免税事業者を排除しかねません。  全国で500万と言われる免税事業者、9割が免税事業者の農家や、1,000万人いると言われている配達員など、単発で仕事を請け負うフリーランス、文化・芸術、イベント分野で働く皆さんにとって重大な影響が及びます。  自治体が発注、委託する業務についても同様で、既に全国では、免税事業者を排除する旨の対応を行った事例や、県内のある市町村からは、免税事業者との取引によって生じる消費税を自治体が負担することで、予算に影響が及ぶとの声を聞いています。  〔資料提示〕  現在多くの中小事業者の団体が中止や見直しを求め、日本商工会議所は、検証を行い、影響を最小限にする施策が講じられない場合は延期、日本税理士連合会は、見直しと実施の延期など、各種団体から意見が出され、さらには、本年9月末現在で全国289自治体から中止、延期などの救済を求める意見書が543件も提出されています。  また、2021年度の全国の消費税の新規滞納発生額は5,121億円となり、コロナ前の2019年度に加えて、1,000億円以上も増えています。このままでは、消費税が払えなくて倒産、廃業する事業者が続出してしまいます。  そこで、知事に伺います。  県内経済にとって重要不可欠な中小零細事業者、農家やフリーランスの営業を守るため、国にインボイス制度の廃止を求めるべきと考えますが、見解を伺います。  また、原則的には、制度の廃止を求める立場ですが、県や指定管理者、第三セクターなどが発注、委託する事業者について、免税事業者を排除しないようにする必要があると考えますが、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕
    ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 上野議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、安心して出産できる神奈川を目指してについてお尋ねがありました。  まず、不妊治療にかかる経済的負担の軽減についてです。  子供を望む方が、必要に応じて、安心して不妊治療を受けられる環境を整備することは重要です。県では、不妊・不育専門相談センターを開設し、医師や臨床心理士などによる治療や、心の悩みに関する相談支援を行っています。  また、費用については、体外受精などの生殖補助医療を対象に助成を行ってきましたが、令和4年4月からは保険適用されることになりました。しかし、先進医療に指定されている治療法については、保険適用外となるため、その部分は全て自己負担となっています。  県としては、保険適用となる治療法の拡大が経済的負担の軽減につながるものと考えており、安全性や有効性が確認された治療は早期に保険適用とするよう、引き続き国に要望してまいります。  次に、妊婦健康診査の自己負担の軽減についてです。  まず、妊婦健診の自己負担についてです。  母体や胎児の健康確保を図る上で、妊婦に対する健康診査は大変重要です。市町村は、国の基準に基づく妊婦健診の受診に伴う経済的負担を軽減させるため、補助券を交付しています。  しかし、医療機関による費用の差や、市町村の補助額の差により、自己負担が生じる場合もあります。そこで、県では、他の自治体の例を参考に、補助額の見直しを検討するよう、市町村に働きかけていきます。  次に、15回以上の妊婦健診に対する助成についてです。  国が望ましい基準として示している妊婦健診の回数は14回程度とされていますので、現時点では、無料化するための県独自の補助は考えていません。  次に、県立保健福祉大学、県立看護専門学校に通う学生への支援について、何点かお尋ねがありました。  まず、給付型奨学金の拡充についてです。  学生が経済的な事情により進学を諦めることがないようにしていくことは、将来の看護職員の確保の観点からも重要です。  所得の低い世帯の学生に対しては、令和2年度から、日本学生支援機構により給付型奨学金が支給されています。加えて、県では、世帯所得に関係なく、一定期間、県内で就業すれば返済不要となる看護師等修学資金貸付制度を設けています。  こうした取組により、学生が経済的理由で学びを諦めることなく、本人が希望する進路に進めるよう、今後とも、しっかりと取り組んでまいります。  次に、実習時の補助についてです。  県では、実習時の学生の負担を軽減させるため、学生が実習する際の実習費については、学校に対し補助を行っています。一方で、実習時の生活費や交通費については、資格を得るために必要な費用として、受益者に負担していただくものと考えています。  なお、所得の低い世帯の学生に対しては、日本学生支援機構から給付型奨学金が支給されています。  次に、県立保健福祉大学に通う学生の学費負担の軽減についてです。  県立保健福祉大学の入学金や授業料は、他の国公立大学等の例を参考にしながら定めています。そして、県は、県立保健福祉大学の運営のため、入学金、授業料収入の数倍に当たる運営費交付金を交付しています。  こうしたことから、現状では、学生の入学金や授業料の軽減を目的とした運営費交付金の増額は考えていません。  なお、令和2年度より、高等教育修学支援制度により、経済的に困窮する学生に対しては、入学金、授業料の負担軽減が図られています。  次に、公契約条例の制定についてお尋ねがありました。  まず、賃金の状況についてです。  平成27年度から令和3年度までの設計労務単価と、県発注工事に直接従事する労働者を対象にした賃金実態調査の結果の推移を比較すると、職種によってばらつきはあるものの、設計労務単価は約15%の上昇、平均賃金は約13%の上昇となっています。年度によって、設計労務単価よりも平均賃金のほうが、上昇幅が大きいケースもあることから、今後も推移を見ていく必要があると考えています。  次に、公契約条例の必要性についてです。  学識経験者、事業者団体、労働者団体で構成された公契約に関する協議会からは、条例について、必要とする意見と、適切ではないとする両方の意見がありました。その上で、賃金実態調査や条例制定自治体の運用状況調査の継続など、検討すべき四つの課題が指摘されました。  県では引き続き、この四つの課題に取り組む中で条例の必要性について検討してまいります。  次に、会計年度任用職員制度についてお尋ねがありました。  まず、会計年度任用職員制度の廃止及び正規化についてです。  非常勤職員等の適正な任用や勤務条件を確保するため、地方公務員法等が改正され、令和2年度から会計年度任用職員制度が導入されました。  本県では、法改正の趣旨等を踏まえ、常勤職員を適正に配置した上で、補助的・定型的な業務や、毎日ではなく週に数回のみ出勤して行う業務等について、会計年度任用職員を配置することにしています。  したがって、制度の廃止を国に求めたり、県庁に常勤職員のみを配置するということは考えていません。  次に、会計年度任用職員の雇用継続についてです。  地方公務員法における平等取扱いの原則等を踏まえ、任用に当たっては、国の通知で、できる限り広く募集を行うこととされており、本県では、国と同様、公募を行わずに再度任用できるのは2回までとしています。  改めて公募を行う際には、既に任用されている方も再度申し込むことが可能であり、運用を見直すことは考えていません。  最後に、インボイス制度についてお尋ねがありました。  まず、国にインボイス制度の廃止を求めることについてです。  消費税の納税義務者は、売上げに係る消費税から仕入れに係る消費税を控除した額を納税しますが、インボイス制度は、この仕入れ税額を正確に把握するために導入されるものです。  県としては、適正な課税を行うために必要な制度と認識しており、国に対して廃止を求めることは考えていません。  次に、免税事業者の排除についてです。  県としては、免税事業者を入札に参加させないような資格条件を定めることは、適当ではないとする総務省通知を踏まえ、免税事業者を排除することは考えていません。  また、指定管理者や県主導の第三セクターに対しては、県における取組を周知してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の御質問にお答えします。  県立高校改革で示された夜間定時制課程の一部募集停止についてお尋ねがありました。  県立高校改革実施計画の全体計画では、定時制について、適正な規模と配置に取り組むとの考えを、平成28年の計画策定当初から示しています。  その後、県立高校の夜間定時制課程への志願者は年々減少し、今年度の募集定員に対する入学者の割合は約3割まで低下しました。こうした状況を踏まえ、定時制の適正配置の具体的な取組として、夜間定時制のある18校のうち6校について、令和8年度から募集停止とすることをⅢ期計画案に位置づけました。  Ⅲ期計画案は、今定例会の前半で県議会にお示しし、常任委員会における御審議をいただいた上で、10月25日に開催した教育委員会で正式に計画決定しています。  この決定過程は、Ⅰ期、Ⅱ期の計画策定時と同様ですので、今回決定したⅢ期計画を見直す考えはありません。  県教育委員会では、Ⅲ期計画に基づき、引き続き、県立高校改革にしっかりと取り組んでまいります。  答弁は以上です。  〔上野たつや議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 上野たつや君。  〔上野たつや議員登壇〕 ◆上野たつや議員 答弁を頂きました。  2点、再質問をしたいと思います。  順番が前後しますけれども、まず知事に、県立大学、県立看護専門学校の学生への支援について伺います。  冒頭、実習費の補助があるとおっしゃっていたんですけれども、これは病院に対する御礼金のようなもので、看護学科の学生にしか該当しないですから、栄養士さんですとか、そういったところを養成するところには実習費の補助を充てられていないという事実も踏まえて、ぜひ改めて再質問したいと思うのですけれども、実習時の補助について質問した際に、受益者負担との発言がありました。  質問の中で、政府の認識については紹介しましたけれども、この点、本県では特に、保健・医療・福祉の人材不足が深刻ですから、その分野の専門家を育成するということは、本県にとっても、ひいては社会全体のためにも重要と思っています。  教育における本当の受益者は、最終的には社会が益を受けることです。その考え方で言えば、こうした学生の負担というのは、社会全体で行うべきであって、学生個人に負担させることではないと考えます。  知事が言うところの受益者負担の考え方では、国が批准したはずの国際人権規約に反して、一向に学生への負担軽減にはなりません。受益者負担という考え方を改めるべきと考えますが、県立保健福祉大学や県立看護専門学校における受益者負担について、知事はどう考えているでしょうか。  また、実習時の負担軽減を含めた学生の負担軽減の考えはないのでしょうか、伺います。  次に、教育長に、夜間定時制課程の一部募集停止について伺います。  結局、適正配置という言葉だけが情報開示されていて、それ以外の夜間定時制課程の募集停止ということについては、何ら示されていない上での議論だと思っています。  夜間定時制課程について、これまで文教常任委員会では2人の委員から質疑がありましたが、その場での答弁は、今後検討するといった内容で、何ら方向性を示してきたわけではありません。  加えて、教育委員会の委員協議会においては、議事録も取らない、意見交換の場でのやり取りです。この点、私は、政策決定過程を明らかにした上での議論とは思えないのですが、これが政策決定過程を明らかにした上での議論とお考えでしょうか、伺います。  また、公の場で論議したとは言えない不透明な状況において、局内の議論や委員協議会での議論の検討結果など、政策決定過程を明らかにするべきと考えますが、見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  保健・医療・福祉の人材を育てる教育、そして、それによって医療が提供されるといった中での受益者負担でありますけれども、最終的には、社会が益を受けるという面もありますが、しかし、資格を取得することは、一義的には個人の言わば財産となります。  そのため、実習時に必要な生活費や交通費については、基本的には学生本人に負担していただくべきと考えております。  答弁は以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の再質問にお答えします。  定時制の適正配置については、平成28年の全体計画策定当初から既にその方向性を示しており、今回の政策決定過程はⅠ期、Ⅱ期と同様です。また、計画策定の背景や考え方等については、これまで常任委員会の中でも、しっかりと御議論いただいたものと認識しております。  以上でございます。  〔上野たつや議員発言の許可を求む〕 ○議長(しきだ博昭) 上野たつや君。  〔上野たつや議員登壇〕 ◆上野たつや議員 ありがとうございました。  最後に、意見、要望をします。  初めに、再質問した項目から、県立大学、県立看護専門学校の学生への支援についてです。  受益者負担の考え方を続けていては、到底、学生の困難に寄り添うことはできないと私自身は思っています。コロナ禍の下で、本県では特に、エッセンシャルワーカーがいかに重要な役割を果たしてきたかを痛感したと、私も県の皆さんも思っていると思うのです。  このような現場で働く方を養成している学校を持っている本県として、多くの人に学んでもらって、県内で力を発揮してほしいという思いは同じだと思っていますから、お金の心配なく安心して学ぶことは、まさに本県にとっての受益になると考えます。その視点に立って学生の支援をすることを求めます。  次に、夜間定時制課程の一部募集停止についてです。  県当局や教育委員会において、夜間定時制の募集停止の方向性がいつから議論されたかどうかというのは、全くどこを見ても分かりません。教育委員会委員協議会という議事録も取っていない非公式の場での議論を、あたかも論議してきたというように言うのであれば、情報公開の精神とも外れていると私は思います。どのような結果になったにしろ、政策決定過程を明らかにして、広くみんなが論議するということが大切です。  教育の場で、このようなことが行われるのは、甚だ疑問だと思っていますし、到底認めることはできません。改めて、計画については見直しを求めます。  次に、安心して出産できる神奈川についてです。  今回は、不妊治療と妊婦健診を取り上げましたが、妊娠・出産に関わる自己負担はそれだけではありません。生まれるまでも、生まれたときも、そして生まれてからも、例えばミルクやおしり拭き、おむつなど様々に本当にお金がかかるのが実態です。子供が生まれるだけでも奇跡的なことなのにもかかわらず、子供を望みながら、お金の有無で高額な治療、経済的負担から諦めることがあってはならないと思います。  市町村事業だとしても、県として応援することはできるはずです。県内で子供が生まれたときに、おめでとう、頑張ったねと手を差し伸べるような温かい施策として、自己負担の軽減を進めるよう求めます。  次に、会計年度任用職員についてです。  ある公務の職場で、相談業務で勤めている方、何十年と非常勤として働き、現在は会計年度任用職員として働いている独り親のお母さんから話を伺ったことがあります。  住民の皆さんに安心してもらう相談業務をしているのに、自分たちは、毎年、雇用がどうなるか不安な気持ちで働いている、こんな環境は矛盾していると思う。その訴えに、やはりこの制度そのものに問題があると私自身も感じましたし、公として、こんな不安定な雇用を許してはいけないと強く求めたいと思います。  最後に、インボイス制度ですけれども、私が紹介しただけではなくて、様々な文化団体や、また、政府与党からも反対の声が上がっています。  県内の中小・小規模企業、個人事業者やフリーランスなど、営業と暮らしを守り、加えて、文化を守る視点から、廃止を国に求めることを改めて要望して、私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(しきだ博昭) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(しきだ博昭) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後3時10分 休憩       ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和4年第3回-20221201-029337-質問・答弁-京島けいこ議員-代表質問①人にやさしい県政について②いのちとくらしを守る取組について③職員が働きやすい職場環境づくりについて》                   午後3時31分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 副議長共98名 ○副議長(曽我部久美子) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(曽我部久美子) あらかじめ時間の延長をいたします。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(曽我部久美子) 質問を続行いたします。  京島けいこさん。  〔京島けいこ議員登壇〕(拍手) ◆京島けいこ議員 相模原市南区選出、京島けいこでございます。  議長のお許しを頂きましたので、私は、かながわ県民・民主フォーラム県議団を代表し、通告に従い、提言を交えながら、順次質問を行います。  知事、教育長並びに警察本部長におかれましては、明快な御答弁をよろしくお願い申し上げます。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願い申し上げます。  〔資料提示〕  質問の第1は、人にやさしい県政についてであります。  最初に、介護における高齢のケアラー問題について伺います。  高齢化や核家族化の進展により、高齢者夫婦世帯が増加し、誰もが高齢の家族を介護する老老介護となる可能性が高くなっています。  〔資料提示〕  国立社会保障・人口問題研究所の推計では、本県の65歳以上の高齢夫婦世帯数は、2015年の44万2,000世帯から、2040年には53万8,000世帯へ、実に20%以上も増えるものと推計されています。  高齢者の中には、家族の介護は家族が行うことが当然と思っていらっしゃる方も多く、介護者が高齢ともなると、体力的、精神的負担が大きくなり、自分自身の限界を超えて、心身に大きな負担を抱えながら、家族の介護に関わっている場合があり、共倒れの状態になることも懸念されます。  また、昨今のコロナ禍により、外出の機会も少なくなり、介護サービスも受けにくくなるなど、孤立することで、さらなるストレスを抱えてしまい、より負担感が増していると思われます。  先日も県内で、高齢の夫が、介護疲れから妻を死亡させるという痛ましい事件がありました。報道によると、この夫婦は2人暮らしで、長年にわたり介護を続けていたということでありますが、そこまで精神的に追い詰められていたことに誰も気づかなかったのは大変残念であります。  このような事件が繰り返されないよう、介護で追い込まれている方を見つけ出し、必要な支援に結びつけていかなければいけないと思います。  県でも、ケアラーやヤングケアラーを支援するため、様々な取組を行っています。  ヤングケアラーについては、最近になってマスコミなどでも様々取り上げられ、世間の認識も深まっていると感じていますが、従来から支援の必要性が指摘されてきた老老介護についても、依然、重要な課題と考えております。  そこで、知事に伺います。  老老介護となっているケアラーを支えていくため、どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、地域包括ケアシステムにおける医療連携の充実に向けた取組について伺います。  高齢社会の一層の進展に伴い、高齢者の単身世帯や老老世帯が増加する一方で、労働人口の減少とともに、これを支える介護・医療人材の不足が今後、一層深刻化していくものと思われます。  〔資料提示〕  こうした中で、県民誰もが住み慣れた地域で安心して医療を受けられる体制を確保していくためには、地域全体で患者を支える地域包括ケアシステムの構築が今後、一層重要となります。  この地域包括ケアシステムの構築に向けては、急性期病床から回復期病床、また、在宅医療へ患者をスムーズに移行するための入退院調整の仕組みを整え、地域の医師、看護師、ケアマネジャーなどの多職種が緊密に連携していく必要があると認識しております。  私は、地域包括ケアシステムの構築が進むことで、在宅患者の急変時にも適切な医療を受けられる、また、最後のみとりを患者が望む場所で行うことが可能となるなど、患者に寄り添った医療の提供が可能になると考えます。  こうした課題認識から、令和2年第1回定例会で地域包括ケアシステムの推進に向けた医療連携をテーマに質問を行い、病院間の連携や、病院と在宅医療の連携促進を求めてきました。  しかしながら、私の元には、転院に際し、十分な説明のないまま、自宅から遠方の病院に入院することになったなどの、転院や入退院に関する相談が依然として寄せられています。  もちろん、医療機関でも対応し切れないこともあるのは承知していますが、患者やその御家族が理解できるよう、コミュニケーションに配慮していただく必要もあると思われます。  県では、平成28年に神奈川県地域医療構想を策定し、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、地域包括ケアシステムの推進に取り組んでいますが、その2025年も間近に迫っています。  県のこれまでの取組により、入退院調整の仕組みづくりや多職種の連携は一定程度進んできたと理解しますが、患者本人が納得できる、患者に寄り添った医療を提供していくためには、よりきめ細やかな医療連携を目指していく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  県民誰もが住み慣れた地域で安心して医療を受けられるためには、地域包括ケアシステムにおける医療連携を一層充実していく必要があると思いますが、県として、どのように取り組むのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  次に、聴覚障がい者の雇用促進及び職場定着について伺います。  県では平成28年10月に、ともに生きる社会かながわ憲章を定め、障害者の社会参加に向けた取組を県民総ぐるみで進めてきました。  また、今年10月には、神奈川県当事者目線の障害福祉の推進が、ともに生きる社会かながわ憲章の実現につながるとの認識の下、当事者目線の障害福祉推進条例を制定したところであります。  〔資料提示〕  全国的に見ても、障害者の雇用は徐々に進んできており、厚生労働省がまとめた令和3年障害者雇用状況によると、民間企業における雇用障害者数及び実雇用率は、ともに過去最高を更新し、国や地方自治体などの公的機関についても、雇用障害者数が増加をしています。  一方、聴覚障害者を支援する団体や障害者本人の声を聞くと、各職場では、例えば、コミュニケーションを図る上で適切な配慮が十分なされていないなど、聴覚障害ならではの課題も見受けられ、働く意欲や能力があっても、必ずしも就労や職場定着に結びついていないとの意見があることも事実であります。  令和2年第1回定例会において、私から、県庁や民間企業における聴覚障害者の雇用促進及び職場定着について質問したところ、知事からは、様々な取組を通じて、聴覚障害者のさらなる活躍の場の拡大に向けて取り組んでいくとの答弁がありました。  その後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大などもあり、特に民間企業向けの対策は難しいところもあったと思いますが、そうした中にあっても、県が率先して聴覚障害者の採用や職場定着に取り組むとともに、民間企業における聴覚障害者の雇用促進などに向け、できるところから着実に進めていくことが重要と考えています。  そこで、知事に伺います。  聴覚障害者の県庁における採用や職場定着、また、民間企業における雇用促進や職場定着に、どのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、公立小・中学校における不登校の児童・生徒へのICTを活用した支援について伺います。  全国の国公私立小中学校において、令和3年度に年間30日以上登校せず、不登校であった児童・生徒は前年度から24.9%増え、過去最多の24万4,940人であったことが、文部科学省が実施した児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果により明らかになりました。  新型コロナウイルス感染症の影響により、不登校の問題が深刻化しているとの報道もあり、こうした不登校の児童・生徒への支援については、さらなる充実が求められているところであります。  教育機会確保法の基本理念を踏まえ、不登校の児童・生徒に対しては、多様で適切な教育機会の確保が重要であり、教育支援センターやフリースクールなどが、そうした多様な学びの場の一つとなっていると認識しています。  〔資料提示〕  また、ICTを不登校支援に積極的に活用することも学びの機会を広げる有効な方策であり、不登校の児童・生徒が自宅や別室にいながら、ICTを活用して担任教員や教室とつながることは大変有効であると考えます。  ICTを活用して学習したり、相談したりすることがきっかけとなり、学校や相談機関などとのつながりが継続的なものになればと考えます。  さらに、令和2年9月に国より「不登校児童生徒に対するICT等を活用した学習支援について」という通知が都道府県教育委員会などに発出され、ICT端末の1人1台環境の整備により、不登校の児童・生徒への学習支援や相談支援を推進することが示されています。  我が会派からも、令和3年第2回定例会において、公立小中学校における不登校の児童・生徒へのICTを活用した支援について質問し、教育長からは、ICTを活用した不登校の組織的支援策について検討し、実践につなげていくという前向きな答弁を頂いているところです。  現在、小学校及び中学校においては、学習支援や相談対応が行われていると伺っていますが、国のGIGAスクール構想の下、県内全ての小中学校に1人1台端末が整備されていることは、不登校の児童・生徒への支援の充実にもつながるものであり、こうした環境を活用し、子供たちの状況に応じた支援に取り組んでいただきたいと考えます。  そこで、教育長に伺います。  公立小中学校における不登校の児童・生徒へのICTを活用した支援の状況について伺います。また、県教育委員会として、今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 京島議員の御質問に順次お答えしてまいります。  人にやさしい県政について、何点かお尋ねがありました。  まず、介護における高齢のケアラー問題についてです。  超高齢社会の到来により、高齢夫婦などによる老老介護は、誰もがなり得る身近な問題です。先日も、高齢の夫が長年介護をしていた妻をあやめるといった大変痛ましい事件が県内で起き、私は改めて、老老介護の課題の重さを感じました。  老老介護は、介護する者も高齢であることから、身体の負担が大きい上、長年寄り添って生活してきたことで、自ら介護することを当然と思い込み、周囲に相談もせず、孤立しやすい状況があります。  そうした高齢のケアラーの状況に周囲が気づき、支援につなげていくためには、ケアラー本人に身近な市町村で、福祉、医療などの関係者が連携して、きめ細かく対応していくことが必要です。  そのため、県は、広域的、専門的な立場から、率先して市町村を支援し、後押ししていくことが重要です。県では今年度、ケアラー本人への支援に向け、電話やLINE相談を開始するとともに、ケアラー同士や支援者が集まり、お互いの悩みを語り合う場であるケアラーズカフェの立ち上げを支援しています。  また、市町村の地域包括支援センターの職員を対象とした研修会でも、老老介護について取り上げ、高齢のケアラーが一人で抱え込まないように、早期に見つけ出し、支援につなげるよう取り組んでいます。  さらに、市町村の支援体制の構築を後押しするため、新たにケアラー支援専門員を配置し、地域包括支援センターや介護サービス事業者、民生委員等による幅広いネットワークづくりに努めています。  今後はケアラー支援専門員が中心となって、地域ごとに関係機関による個別の事例検討や情報交換を行う場を設け、老老介護等でお困りの方に、連携して支援に当たっていきます。  県では、高齢の介護者が孤立することのないよう、市町村や関係機関と連携しながら、しっかりと支援に取り組んでまいります。  次に、地域包括ケアシステムにおける医療連携の充実に向けた取組についてです。  県民誰もが、病気になっても住み慣れた地域で病態に応じた適切な医療を受けるためには、地域における医療連携の充実を図ることが重要です。  県では、平成28年に神奈川県地域医療構想を策定し、団塊の世代が75歳以上となる2025年に向け、不足している回復期病床の確保に取り組んでいます。  具体的には、急性期病床からの転換に対する補助等の支援を行っており、その結果、これまでに約3,400床の回復期病床を確保することができました。  また、転院を含む入退院調整を、医療機関の間で円滑に行うことができる医療人材を育成することも重要です。  そこで、看護師やメディカルソーシャルワーカー等を対象に、入退院支援や多機関連携に関する研修会を毎年度実施しており、今年度は109名が参加しています。  しかし、患者やその家族が医療機関に求めるニーズはより多様化しており、転院等に当たっては、一人一人の希望にできる限り寄り添った対応がこれまで以上に求められています。  そこで、患者や御家族が、転院や入退院に際し、どのようなことにお困りなのか等について事例を収集していきます。そして、その後、できる限り速やかに入退院調整マニュアルの策定に着手し、患者や御家族とコミュニケーションを取るに当たって注意すべきポイントを掲載していきます。また、そうした事例を研修会の中で共有していきます。  こうしたことにより、地域包括ケアシステムにおける、よりきめ細やかな医療連携の実現を目指してまいります。  次に、聴覚障がい者の雇用促進及び職場定着についてです。  まず、県庁における聴覚障害者の採用や職場定着に向けた取組についてです。  本県では、令和2年3月に策定した障がい者活躍推進計画に基づき、障害者の積極的な採用や職場環境の整備等に取り組んでいます。  具体的には、あらかじめ職場の様子をイメージできるように、聴覚に障害のある先輩職員の活躍事例をホームページに掲載しているほか、採用試験の際には手話通訳者の同席や筆談など必要な対応を図っています。  また、入庁後は、直属の上司が身近な相談者として、日々、状況を確認し、定期的に面談を行うとともに、国の専門研修を受講した障害者職業生活相談員を各局総務室に配置し、所属や職員からの相談に応じるなどサポート体制を整備しています。  次に、民間企業に対する取組についてです。  県ではこれまで、障害者の特性や配慮すべき事項の理解を進めるため、企業からの依頼に基づき、出前講座を実施してきましたが、聴覚障害者に特化した依頼はほとんどありませんでした。  そこで、聴覚障害者の雇用の場を拡大するため、今月、企業の経営者や人事担当者を対象に職場見学会を開催します。見学会では、聴覚障害者を雇用している企業が、社員の障害の程度に合わせて業務を切り分ける工夫や、チャットを利用したコミュニケーションなどの具体的な取組を紹介するほか、聴覚障害者社員との質疑応答も行います。  また、企業への戸別訪問やフォーラム開催などにより、聴覚障害者を含めた障害者雇用を広く働きかけていきます。  こうした取組により、聴覚障害者を含む全ての障害者の活躍の場がさらに広がるように、当事者目線に立って、しっかりと取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の御質問にお答えします。  公立小・中学校における不登校の児童・生徒へのICTを活用した支援についてお尋ねがありました。  公立小中学校で1人1台端末が整備された現在、不登校の児童・生徒の学びを支える手段としてICTを活用することは大変重要です。  県教育委員会では令和2年に、不登校支援の実践例などを盛り込んだ「ICTを活用した学びづくりのための手引き」を作成し、これまで市町村教育委員会や学校に、その活用を働きかけてきました。  こうした中、不登校の子供たちに学校や授業の様子を配信したり、不登校の子供たち同士のオンライン交流を図るなど、具体的な支援に取り組む学校が広がっています。  こうした取組により、不登校が長く続いている子供と初めてコミュニケーションを取ることができたケースや、自宅から授業に参加できるようになったケースが見られるようになりました。  その結果、昨年度、こうした学びを指導要録上の出席扱いとしたケースは、前年度の約3.6倍に当たる486件に増加しました。  県教育委員会では、こうした市町村におけるICTを活用した不登校支援の事例や成果を収集し、全ての市町村と共有していくことで、本県の不登校支援の底上げを図っていきます。  今後もこうした取組を通じて、不登校の児童・生徒に対するICTを活用した支援をさらに充実させてまいります。  答弁は以上です。  〔京島けいこ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 京島けいこさん。  〔京島けいこ議員登壇〕 ◆京島けいこ議員 知事、教育長、御答弁ありがとうございます。  ここで、ICTを活用した支援について、再質問をさせていただきます。  先ほど答弁を頂きました、不登校が長く続いた子供たちも教室の様子を見たり、出てくることができるようになったということでありますが、ICTの活用によって不登校の長期化というのを招くのではないかというような報道がなされているわけでありますが、教育長の見解を伺いたいと思います。  〔教育長(花田忠雄)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 花田教育長。 ◎教育長(花田忠雄) 教育関係の再質問にお答えします。  ICTを活用した支援は、不登校が長く続いている子供たちの学びを保障する上で極めて有効な手段です。  県教育委員会としては、まずは学びの機会を提供した上で、一人一人の子供たちの状況に応じて、少しずつ学校や社会とつながりが持てるよう配慮していくことが重要であると考えております。  以上でございます。  〔京島けいこ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 京島けいこさん。  〔京島けいこ議員登壇〕 ◆京島けいこ議員 再質問の答弁ありがとうございます。  まずは、一人一人の児童・生徒に向き合う、これを徹底していただいて、学びの機会を与えるということがとても大切な取組かと思われますので、引き続き、不登校児童・生徒に対しての支援を求めます。  人にやさしい県政についてのほかの意見、要望を述べさせていただきます。  介護における高齢のケアラー問題についてでありますが、地域ごとに医療機関による個別の事例検討、こうしたものや情報交換を行っていただき、高齢の介護者が孤立しないよう、市町村や関係機関と連携し、支援に取り組むという知事からの答弁を頂きました。  高齢化や核家族化の進展により、増加するであろう老老介護となるケアラーは、ゴールの見えない中で、必死に寄り添い、必死に闘い続けています。誰もが通る道でありますから、介護問題で追い込まれている人を見つけ出し、支援をしていくことを早急に求めたいと思います。  次に、地域包括ケアシステムにおける医療連携の充実に向けた取組についてですが、患者や御家族が入退院に際し、困られていることの事例収集を行う、そして、できる限り速やかに入退院調整マニュアルの策定、これに着手をしていただき、突然の病に倒れ、入院を余儀なく迫られた御家族、病状が安定をしてきたことで転院を迫られる御家族、こうした御家族の中で、相談できる方ばかりではないという中で、私の質疑の中でも触れさせていただきました、医療機関が全てを対応し切れない現状の中、医療機関側が患者や御家族とコミュニケーションを取ることで、そうした方々の不安を軽減させてあげることもあろうかと思います。  患者や御家族が入退院に際し、どのようなことに困っているのかについて事例を集めていただき、入退院調整マニュアルの作成にできるだけ早く取り組んでいただくよう求めます。  そして、高齢のケアラー問題とも共通しますが、まさに支援を必要とする人、これを見落とすことのないよう、住み慣れた地域で安心して医療を受けられるよう、地域包括ケアシステムにおける医療連携の充実を求めたいと思います。  次に、聴覚障がい者の雇用促進及び職場定着についてです。  聴覚障害者の雇用促進や職場定着に係る私の令和2年の一般質問の後、コロナ禍となり、進捗の心配をしていたところでありますが、施策が確実に前に進んでいることを確認させていただいております。感謝を申し上げます。  聴覚障害者にとって課題となるのは周囲とのコミュニケーションであり、コロナ禍においてテレワークやリモート会議が多くの場面で導入されるようになり、改めて認識するところでありますが、聴覚障害者にとっては、音声のみでのやり取りにはやはり不自由さがあります。  しかしながら、音声を文字化するアプリやソフトといったIT機器を活用すれば、こうしたリモート会議だけでなく、対面であっても、聴覚障害者は会議や議論の場に参加していることを実感でき、モチベーションの向上にもつながります。  手話や口話とともに、IT機器の活用によってコミュニケーション上の困難さをクリアできることを多くの方に理解してもらいたいと思っております。  聴覚障害者を含む障害者雇用の取組は、飛躍的に進むものではないと思いますが、障害者雇用の取組を一歩一歩でも前に進めたく、そして、広く発信するため、今回も再度質問という形を取りました。今後も地道に、確実に進めることを求めます。  〔京島けいこ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 京島けいこさん。  〔京島けいこ議員登壇〕 ◆京島けいこ議員 次は、いのちとくらしを守る取組についてです。  〔資料提示〕  まず、質問の第2、最初に、ヤード対策について伺います。  金属スクラップや廃車など再生資源物を収集、保管する、いわゆるヤードは、多くの場合、適正に管理されていると思われますが、報道などによると、全国各所に騒音や振動、油汚染、悪臭、水質汚濁、火災発生などの近隣とのトラブルも発生しているようであります。一部には、周辺環境への影響が懸念された状態が顕在しているのも事実であります。  また、高級車を中心とした自動車盗難事案に、ヤードが一時保管や解体の現場として関連しているケースも全国的に散見されます。  これまで国では、廃棄物処理法や自動車リサイクル法などにより、これらの事案に対応してきました。本県としても、法令に準拠して、保管の届出、立入検査などを実施し、一定の成果を得ていると認識しています。  しかしながら、規制が十分かと言えば、まだまだ法の目をくぐり抜ける行為や、何より生活している住民の不安解消には対応し切れていない側面があるのも事実であります。  また、多発する自動車盗難事案については、県警では関係機関・団体と連携をして対策を講じてきた成果もあり、近年の県内での盗難件数は減少傾向となっています。  一方で、本年上半期の我が国の自動車盗難件数は、残念ながら、対前年比19.4%増となっています。一義的には、所有者が対策強化を図る必要がありますが、自動車の盗難や盗難車の不正輸出を防止する観点での規制強化も重要と考えます。  これらを踏まえた上で、行政としても一歩踏み出した対策を講じている自治体もあります。  〔資料提示〕  千葉市で実施しているヤードの規制に関する条例などは、その一つと言えます。特徴は、金属スクラップなどの再生資源物を保管するヤードの設置について、届出制ではなく許可制としている点や、刑事罰を盛り込んだ点などが挙げられます。実際、条例施行後ちょうど1年を経過しましたが、新規施設はゼロであり、一定の効果が出ていると推測されます。  また、ヤードの問題として、自動車の盗難だけでなく、ヤード外への油などの流出など、地域住民の生活環境への影響も懸念されます。このようなことがないよう、国の規制に加えて、地域の特性を考慮した独自の対策を自治体が積極的に取り組むことは極めて重要と考えます。  そこで、知事に伺います。  本県として、地域の生活環境に悪影響を及ぼすようなヤードに対して、どのような対策に取り組んでいこうと考えているのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  次に、災害発生時における信号機の滅灯対策について伺います。  近年、全国各地で地震や豪雨など様々な災害が発生しており、大規模災害への備えが重要であると改めて感じているところであります。  本県でも、首都直下地震や南海トラフ巨大地震などの発生が懸念されているほか、台風や大雨による風水害の激甚化が顕著になっており、災害への県民の関心も高まっているところであります。  神奈川県内では、2019年に発生した台風15号、台風19号の際には大きな被害が発生し、信号機の滅灯や倒壊といった被害が生じ、道路交通網に大きな混乱が生じたことは記憶に新しいところでありますが、過去の教訓などを踏まえ、災害時における信号機の滅灯対策については、県警察において非常に重要な任務であると認識しております。  〔資料提示〕  県警察では、こうした災害が発生した際には、混乱する状況の中、関係機関と連携し、負傷者の救助、避難誘導のほか、多くの重要な任務を限られた人員で対処していくものと考えておりますが、県内には多くの信号機が設置されていることから、仮に、これらの信号機が滅灯した際には、発電機による復旧作業や手信号による対応などで多くの人員を要することが予想されます。  この点、福岡県警察では、災害による信号機の停電発生情報や電気供給が復旧した場合の停電復旧情報をメールで通知することが可能な信号機監視システムを構築し、これにより、迅速、的確な現場対応を実現したとのことで、私自身、そのシステムを視察してまいりました。  県警察におかれましても、信号機滅灯時の各種対策を推進していると思いますが、今後、過去に例を見ない風水害により大規模かつ長時間の停電が発生することも予想されることから、早期復旧のためのさらなる取組が重要であると考えております。  特に滅灯をリアルタイムで把握することができない山間部の信号機についても、十分な対策が取られる必要があると考えます。  そこで、警察本部長に伺います。  災害発生時における信号機の滅灯対策について、現状の対策と今後の取組方針について伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) いのちとくらしを守る取組についてお尋ねがありました。  ヤード対策についてです。  ヤードとは、周囲を高い塀で囲った資源物の解体や、産業廃棄物の保管などが行われる作業場であり、全国において作業に伴う騒音等の問題が生じている事例があると認識しています。  そこで、本県では、資源循環・不適正処理防止条例により、法よりも広く、全ての産業廃棄物を対象に、発生場所以外での保管場所が一定の面積を有する場合、届出を義務づけており、立入検査も可能となっています。  また、この条例に基づく届出義務がないヤードであっても、作業に伴う騒音などが発生している場合には、県生活環境保全条例により、立入検査を行うことが可能です。  さらに、日頃から県警OB等の監視員がパトロールを行うとともに、必要に応じドローンを活用し、高所から囲いの中を確認するなど状況把握にも努めています。  一方で、ヤードにおける地域住民からの苦情やトラブルに関する情報は、まずは地元の市町村に入るケースが多いため、こうした関係機関との連携が重要です。  そこで、県は、騒音など生活環境保全上の支障がある事例等について、今後も市町村と情報共有を図り、必要に応じて連携して立入検査を行うなど、実効性のある対策を講じていきます。  また、ヤード内において、何らかの犯罪が疑われるケースが判明した場合についても、引き続き、警察への速やかな情報提供など必要な協力を行っていきます。  県としては、地元市町村や警察など関係機関との連携を一層強化し、ヤード内の事業活動によって地域の生活環境に支障が生じないよう、しっかりと対応してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔警察本部長(林  学)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 林警察本部長。 ◎警察本部長(林学) 災害発生時における信号機の滅灯対策についてお答えいたします。  まず、停電等で信号機が滅灯した場合の把握方法についてですが、県下の信号機全体の約44%の信号機は、警察本部の交通管制センターと接続されていることから、滅灯状況をリアルタイムで把握することが可能です。それ以外の信号機は、警察官のパトロールや110番通報等により、滅灯状況を把握しております。  次に、信号機が滅灯した場合の対策についてです。  幹線道路等の主要な信号機には、信号機電源付加装置を設置しており、この装置により、停電による滅灯時に自動的に発電を行って復旧することができます。また、このような機能を有しない信号機、例えば山間部のものについては、滅灯の規模、対策の優先度等に応じ、警察官が持ち運び可能な発動発電機を活用して早期に復旧させるほか、警察官の手信号による交通整理を行うこととしております。  令和4年9月末現在における信号機電源付加装置の整備状況は352台であり、持ち運び可能な発動発電機につきましても729台を整備しております。  県警察としましては、今後とも災害発生時の道路交通網の安全を確保するため、発動発電機を使用した信号機復旧訓練や、交差点における手信号訓練等を継続して実施し、事態対処能力の向上を図ってまいります。  あわせて、災害発生に備えて、計画的に信号機電源付加装置と発動発電機の整備を進めるなどの滅灯対策を推進してまいります。  以上でございます。  〔京島けいこ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 京島けいこさん。  〔京島けいこ議員登壇〕 ◆京島けいこ議員 それでは、意見、要望を申し上げます。  ヤード対策についてでありますが、本県では二つの条例で、生活環境の保全上、支障が出ている場合、立入検査などが可能となるなど、他県に比べてしっかりと対策ができているようでありますが、私の地元で、実は農作物を育てていらっしゃる方からは、隣接するヤードの中で何が行われているのかが分からない。そして、この事業が始まる前まで育っていた農作物が全く育たなくなったと、土壌汚染が起きているのではないかという相談なども寄せられております。  不安を感じていらっしゃる県民の方がいるということも理解をしていただき、しっかりと受け止め、引き続きヤード対策に取り組んでいただくよう求めます。  災害発生時における信号機の滅灯対策についてでありますが、県警察におかれましては、災害発生時における信号機の滅灯対策に、適切に取り組んでいただくことを確認させていただきました。  信号機は県民の日常生活に密接したものであり、災害などで一たび、滅灯など障害が発生すれば、地域住民の方々の安全・安心に大きな影響を及ぼしますので、災害発生時の信号機の滅灯対策については、引き続き、必要な予算を確保し、計画的な整備更新を進めていただくなど、さらに万全を期していただき、災害発生時の道路交通網の確保に御尽力いただくことを求めます。  〔京島けいこ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 京島けいこさん。  〔京島けいこ議員登壇〕 ◆京島けいこ議員 質問の第3は、職員が働きやすい職場環境づくりについてであります。  〔資料提示〕  ここのところ、新型コロナウイルス感染者数が増加し、第8波の到来が懸念されるなど、コロナ対策に当たる職員はもとより、応援を派遣する所属の職員におかれましても、依然として、平時より厳しい業務負担に苦心しておられることと思われます。  こうした厳しい状況を乗り越えるため、県はこれまで様々な業務の見直しや効率化を進めて、業務負担の軽減を進めてきておりますが、こうした取組とともに、業務を遂行する職員が心身ともに健康で生き生きと働くことができるよう働きやすい職場環境づくりを推進していく必要があると考えます。  〔資料提示〕  例えば、ハード面では、職員の柔軟な働き方を可能とするテレワークの拡大に向けて、実施に必要な機器などを導入することや、職員が勤務する場合も、円滑なコミュニケーションや業務の効率化を図ることができるよう、執務室の環境を改善することにより、リモートでも、職場でも、職員が働きやすい環境づくりを進めていくことが重要と考えます。  また、ソフト面では、例えば職員の服装について、軽装を通年化する方法が考えられます。本県では、地球温暖化対策として、まさに今日、今月12月から3月末までは働きやすく暖かい服装を心がける服装の実施期間、また5月から10月までは軽装月間としています。  クールビズ・ウオームビズは、基本的に夏季・冬季に期限を決めて実施されることですが、近年は期間を区切らず、通年で実施する自治体が増えてきています。  例えば、2022年に県で軽装を通年化した事例だけでも、愛媛県、栃木県、群馬県などが挙げられ、基礎自治体まで含めると、その取組は全国に波及しつつあります。  このような期間を区切らない運用がなされる背景として、年間を通じて職務に支障のない範囲でノー上着、ノーネクタイなどの軽装を認めることで、職員一人一人が服装を調整し、より快適な状況で勤務することで職員のストレスが軽減され、働きやすくなり、業務の効率性の向上につながるのではないかという考え方があり、こうした視点による職場環境づくりがとても重要であると考えております。  そこで、知事に伺います。  職員が生き生きと働くことができるよう、快適で働きやすい職場環境づくりに向けて取組をさらに進めていく必要があると考えますが、所見をお伺いします。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 職員が働きやすい職場環境づくりについてお尋ねがありました。  本県では、職員一人一人が生き生きと働き、笑いあふれるような職場の実現を目指して働き方改革に取り組み、職員が働きやすい職場環境の整備を推進しています。  テレワークについては、回数制限をなくしたり、自宅以外での実施を可能にするなど、職員が利用しやすくなるように見直し、県庁のスタンダードな働き方となっています。  また、拡大時差出勤制度を活用し、出勤時間を午前7時から10時半までの間で、各職員の状況に合わせて選べるようにするなど、職員が多様な働き方を選択できる環境を整備しています。  さらに、一部の執務室については、席を固定しないフリーアドレスの導入や、打合せスペースの設置などのオフィス改革を実施し、職員同士のコミュニケーションの活性化や業務の効率化を図っています。  職員の服装についても、省エネ、節電等の地球温暖化対策の取組として、夏季の5月から10月までは、ネクタイや上着の着用を不要とする軽装月間としています。また、冬季の12月から3月までは、暖房に頼り過ぎず、暖かい服装で勤務するウオームビズを実施していますが、昨今の電力需給の逼迫の状況等も踏まえつつ、より快適で働きやすいウオームビズを検討します。  限られた人的資源の中で質の高い県民サービスを提供していくためには、職員一人一人が最大限の力を発揮する必要があることから、今後も働き方改革に取り組み、働きやすい職場環境の実現に努めてまいります。  答弁は以上です。  〔京島けいこ議員発言の許可を求む〕 ○副議長(曽我部久美子) 京島けいこさん。  〔京島けいこ議員登壇〕 ◆京島けいこ議員 知事、御答弁ありがとうございました。  より快適で働きやすいウオームビズを検討していくのだという御答弁を頂きました。しっかり検討するということを求めさせていただきます。  知事が冒頭にお話しをされた、笑いあふれるような職場環境の実現、これは、質の高い県民サービスを提供していくためには、職員一人一人が最大限の力を発揮する必要というのがあります。そのためには、職員がより働きやすい職場環境の実現に向けて、しっかりと取り組んでいただくことを求めます。  以上で、私からの質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○副議長(曽我部久美子) お諮りいたします。  本日の質問はこの程度で終わり、次回、引き続き質問並びに質疑を行いたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(曽我部久美子) 御異議がないと認めます。  よって、本日の質問はこれで終わります。   ─────────────────────────────────────── ○副議長(曽我部久美子) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  次回の会議は、明2日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。                  午後4時23分 散会...